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阪急阪神百貨店は減収 都市部と郊外で明暗分かれる

 阪急阪神百貨店を擁するエイチ・ツー・オー リテイリングの2015年3月期連結決算は、昨年6月に実施したイズミヤの経営統合によって大幅な増収増益になった。売上高は前期比146.5%の8448億円、営業利益は同123.4%の213億円、経常利益は同116.8%の212億円だった。前期に大規模な特別損失を計上した反動で、純利益は115億円と約40倍になった。

 主力の百貨店事業においては、消費税増税による影響からの回復が早かったことや、外国人観光客のインバウンド需要が伸びるなど、都市部の店舗が売上をけん引。阪急うめだ本店は同102.9%の1978億円(阪急メンズ大阪を含む)、博多阪急は同104.5%の422億円、インバウンドの売り上げが2倍に伸びた阪急メンズ東京は同107.5%の135億円だった。一方で、宝塚阪急や西宮阪急といった郊外店舗が軒並み苦戦。もうひとつの基幹店である阪神梅田本店が昨年4月からの建て替え工事に伴い売り場面積が4割減少した影響も重なり、百貨店事業の売上高は同98.5%の4210億円にとどまった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想は、売上高9000億円(106.5%)、営業利益230億円(107.7%)、経常利益226億円(106.5%)、当期純利益130億円(112.2%)を見込む。

 荒木直也・阪急阪神百貨店社長(写真)は、阪急うめだ本店の改装を行うことを発表した。「建て替えから3年経ち、その効果が本格的に表れた年になった。インバウンド需要が追い風となり、客数は前期比105%、買上げ率は同107%に伸びている。今期は、秋から1年半程度かけて、婦人服と紳士服のファッション部門を中心に改装を進める。売上高は2080億円を目指す。開業初年度に掲げた2130億円は16年度には達成したい」と話す。

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