良品計画は5月28、29日、「無印良品(MUJI)」の衣料品展示会を東京・南青山のライトボックスで行った。1階ではウールをテーマに、イッセイミヤケ出身で彫刻家リチャード・ディーコンの助手経験もある衣服造形家の眞田岳彦サナダスタジオ代表によるインスタレーション形式で展示。秋冬の主力素材であるウールの中でも、白さと滑らかさで定評のある"ニュージーランドウール"と、「無印良品」の原点とも言える、素材の持つ色を生かした「まんまの色」シリーズを中心に展開される、ペルーの"アンデスウール"、そして、クリンプ(縮れ)性やボリューム性が高く耐久性のある"フレンチウール"の3種類のウールをフィーチャー。各々を使った作品と代表商品を、原毛や糸紡ぎ機、木製のテーブルやスツールなどの雑貨などとともに陳列し、「素材に強い『無印良品』」をアーティスティックに訴えかけた。2階では2015-16年秋冬コレクションを抜粋して展開。スタイリストには引き続き井伊百合子を起用し、デジタルルックブックとともに、コアアイテムを紹介した。
衣食住のアイテムを幅広く扱う同社では、従来は東池袋の本社で合同展示会を行ってきたが、「『無印良品』らしさや、暮らしの道具としての服という面をもっと伝えたい」「忙しい編集者やスタイリストの方々に見てもらいたい」「海外店舗でもマネできるようなプレゼンテーションの形にしたい」という考えから、ここ数年、衣料品の単独展示会を青山近辺で開いてきた、と赤峰貴子・良品計画宣伝販促室課長。衣料品売上高は12〜13年度は2年連続で前年比110%、14年度は同123%と伸びており、「ここ3年、『無印良品』の衣料品の認知度が上がり、売上高も好調だ。展示会やプロモーションなどの仕掛けに加え、商品面でも、トレンドではなく、素材を軸に体に沿った美しいパターンを追求するモノ作りにシフトした」成果が、売り上げにも表れている。