パリの商業裁判所は23日、フランスで人気のゲイ雑誌「テトゥ(TETU)」に対し、破産を宣告した。4カ月にわたり身売り先を探したが見つからなかったため。
ヤニック・バルブ編集長は「皮肉な話だ。2013年にフランスで同性婚が法律で認められ、マーケットのポテンシャルは高く、ビジネス的にもこれからだった」と語るが、単独の出版社として広告を集めるのが難しかったとも述べた。同誌は昨年110万ユーロ(約1億4700万円)の赤字で、今年度は60万ユーロ(約8000万円)に抑えられる予定だった。
パスカル・ルーベとディディエ・レストレードがイヴ・サンローランのパートナーであるピエール・ベルジェの金銭的なバックアップのもと、1999年に「テトゥ」を創刊。今年6月に20周年を迎えたばかりだった。毎年3月号には秋冬のコレクションのタイミングに合わせてファッションデザイナーを表紙にピックアップ。14年はジャンポール・ゴルチエ、15年は「バルマン」のオリヴィエ・ルスタン=クリエイティブ・ディレクターがヌードで登場し、話題になっていた。同誌の2014年の販売部数は、前年に比べて9.6%ダウンの2万8275部だった。
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