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ユニクロ、新宿の「ビックロ」跡地に再出店でビックリ! モール間競争激化の中国は転換期

ユニクロは10月25日、東京・新宿にグローバル旗艦店の「ユニクロ 新宿本店」をオープンする。新宿エリアは、営業中の新宿西口店、新宿高島屋店、新宿東南口フラッグス店、新宿三丁目店と合わせて、計5店舗体制になるということは以前からアナウンスされていたが、耳目を引いたのは新宿本店の出店先が2022年6月に閉店していた「ビックロ」(12年開業)の跡地ということ。22年の閉店当時はまだコロナ禍の影響もあり、「新宿駅周辺の再開発により今後新宿エリアのお客さまの動線に変化が予想される」と見ていたが、23年10月以降訪日客が再激増したことで、改めて出店を決めたようだ。(この記事は「WWDJAPAN」9月23日付からの抜粋です)

米欧、東南アジア、日本で
「業績拡大の良い循環」

ユニクロは9月13日付で、グローバルの店舗数が初めて2500店を突破したことも発表した。今秋はさらにここから、「“LifeWear”のショーケースとなるような主要店舗20店」を含む新店の開業を予定しているという。7月に行われた23年9月〜24年5月期決算会見で、岡﨑健ファーストリテイリング取締役CFOは、「北米、欧州、東南アジア、日本のユニクロ事業が大幅な増収増益と業績をけん引した。グローバルで“LifeWear”を体現できる店舗を続々と出店してきたことで、各国でのユニクロの知名度が向上し、業績拡大の良い循環が生まれている」と説明。好調を受け、24年8月期通期の業績予想も上方修正していた。今秋の出店政策も、まさにそうした「良い循環」に沿ったものになる。

北米では、新規都市への出店を進める。10月にテキサス州に初出店し、今秋だけで同州にはヒューストン、ダラスなど計5店をオープンする。カリフォルニア州にも新たに6店を開く。

中国はスクラップ&ビルド進める

欧州では引き続き新規都市や主要都市一等地への出店を進め、今秋は計6店を新規出店する。22年秋から長期ポップアップで出店していたポーランド・ワルシャワに常設店をオープンし、オランダの第2都市ロッテルダムには初出店。ほか、伊ローマには鉄道主要駅であるローマ・テルミニ駅構内に欧州事業初の駅ナカ店舗を開く。また、デンマーク・コペンハーゲンやオランダ・アムステルダムには、同都市内での2号店をオープンする。

一方で気になるのは、長らくユニクロの成長をけん引してきた中国の状況だ。コロナ禍以降、景気後退やモール間競争の激化などで市場状況も変わっている。ユニクロの中国本土事業の24年3〜5月期は、前年同期がコロナ禍明けのリバウンド消費で盛り上がったことからの反動減もあって「減収、大幅減益」となっていた。7月の決算会見に登壇したファーストリテイリング グループ上席執行役員でユニクログレーターチャイナの潘寧(パン・ニン)CEOは「これまで中国ではチェーンストア展開で高効率・高成長を実現してきたが、転換期に差し掛かっている。個店経営への改革を推進し、新たな成長ステージに押し上げる」とコメント。モールの優劣に合わせて、移設・増床などを含めた店舗のスクラップ&ビルドを進め、質を追求する。

2024年2月末時点の「ユニクロ」地域別店舗数

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