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ランニングクラブがアプリに代わる新たな出会いの場に? ニューヨークで急増

米ニューヨークではランニングクラブが急増し、マッチングアプリやバーに代わる友達やパートナーとの出会いの場として人気を博しているようだ。

趣味を共有しているから仲良くなりやすい

ニューヨークを拠点とする女性向けランニングクラブ「スロー・ガール・ラン・クラブ(SLOW GIRL RUN CLUB)」は、2022年秋にイザベル・ディジョバンニ(Isabel DiGiovanni)創設者が立ち上げたスローペースのランニングを楽しむグループで、現在は毎週80人ほどが参加している。参加者のジェナ・ジョルダーノ(Jenna Giordano)さんは、「ランニングクラブでの出会いの素晴らしいところは、全員が共通の趣味を持っていること。友達になったからといって必ずしもお酒を飲んだり外出したりしなくてもいいことが心地良い」と話す。

インフルエンサーのルネ・ノエ(Renee Noe)が主催するランニングクラブも、全米を旅しながらさまざまな土地の女性同士を結びつけている。ランニングの開催地はSNSをベースとしたコミュニティーのフィードバックにより決定し、そこで出会った女性グループが独自にランニングクラブを作ることもあるという。

新しい形の“ランナーズハイ”が生まれる

同様にインフルエンサーのマロリー・キルマー(Mallory Kilmer)が主催するランニングクラブ「ノー・モア・ロンリー・ランズ(No More Lonely Runs)」も、SNSを駆使したアプローチを行う。4万1000人以上のフォロワーを持つキルマーは、先日インスタグラムのストーリーを通してセントラルパークでのランニングへの参加を人々に呼びかけた。キルマーによると、「ランニング後は従来の“ランナーズハイ”とは異なる社交的な高揚感がもたらされることで、人と交流することに積極的になる」といい、同クラブではランニング後に必ず30分以上の交流会を設けている。さらにランニングのたびに“新しい友達を作ること”をルールに掲げており、現在参加者は平均100人、多い時には200人以上のランナーが参加することもある。

マッチングアプリ以上の出会いも

また、ランニングクラブから恋愛に発展したというケースも少なくない。例えば、ルース・アクストン(Ruth Axton)さんはニューヨークを拠点とするランニングクラブ「エンドルフィンズ(ENDORPHINS)」のメンバーが主催するスポーツ飲料の試飲会で、現在のボーイフレンドに出会った。「これまでマッチングアプリで何度かデートしたが、うまくいかなかった。しかしイベントで出会った彼とは、その後のランニングでも会話するようになり、自然とデートするようになった」と明かす。

さらに、デートアプリ「ランジ(LUNGE)」が主催するランニンググループ「ランジ・ラン・クラブ(LUNGE RUN CLUB)」は、シングルにターゲットを絞ったマーケティングを行っていることでも知られる。「ランジ・ラン・クラブ」のレイチェル・ランシング(Rachael Lansing)責任者は、「『ランジ』のスティーブン・コール(Steven Cole)最高経営責任者(CEO)は、ランニングクラブが人と出会う素晴らしい方法であるにも関わらず、これまでシングル向けとしてマーケティングする人がいなかったことに市場を見出した。これは史上初のシングル向けのランニングクラブ。ランニングそのものよりも、コミュニティー作りを第一に考えている」と話す。

「ランジ」は毎週水曜日に1000人以上のランナーを集め、約5kmのランニング、もしくは約2.5kmのウォーキングを行っている。ランニング後は参加者が2つのバーで交流の場を持ち、すでに5組のカップルを生むことに成功しているという。「人々は出会いのために、自分のコンフォートゾーンの外に出ることに積極的だ」とランシング責任者。ニューヨークでスタートしたばかりの「ランジ・ラン・クラブ」だが、今後独身者専用のランニングクラブとして他の都市にも拡大する予定だ。

アクストンさんが、「ランニングクラブは、『運動を再開したい』という気持ちと『新たな人と出会いたい』という2つのニーズを完璧にかなえてくれるものだ」と話すように、ランナーが求めているものが何であれ、人間関係、友情、あるいは純粋な運動など、ランニングクラブは全てを実現してくれるようだ。

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