三菱地所は31日、JR東京駅前に地上61階390メートルの超高層ビルを建設すると発表した。「あべのハルカス」(大阪市、300メートル)を上回り、日本で最も高いビルになる。2027年度に完成する予定だ。
同プロジェクトは、東京圏の国家戦略特別区域計画の特定事業として、東京駅の日本橋口前に位置する常盤橋街区で進められており、敷地面積は約3万1400平方メートル。現在はJXホールディングスの本店が入るJXビルや日本ビルなどがある。4棟のビルにオフィス、店舗、変電所施設、下水ポンプ場などを建設する計画で、17年度から段階的に着工する。延べ床面積は68万平方メートルで、商業施設は3棟に6万平方メートルを計画。7000平方メートルもの大規模広場も作る予定で、ホテルや展望台なども検討している。「世界で一番ビジネスがしやすい街を作る」と杉山博孝・三菱地所社長。東京都が推進する東京国際金融センター構想に合致させるため、大手町から兜町の金融拠点やビジネス拠点を強化するほか、地下街を拡充して利便性を高めることを目標にするという。また、日本銀行本店前の常盤橋公園を新たに拡大・再整備する計画も盛り込まれ、緑豊かな街づくりを図るほか、災害時にエネルギーを供給できる機能や帰宅困難者のため支援機能も整備する予定。費用総額が1兆円を超える規模だという。シンボル性の高いビルを建設したいとし、都市観光機能もあるグローバルな拠点作りを目指す。