素材メーカーの小松精練は中堅のウール紡績メーカー日興テキスタイルと共同で、新感覚のウール調の合繊素材「カール・カール ケーエス」を開発した。特殊な紡績技術を使った「カール・カール」はウールの糸自体をふくらませることで軽量感やソフトな風合いを付与できる技術で、両社は初めてポリエステルやナイロンなどの合繊素材の開発に成功した。小松精練の中山大輔・取締役は、「9月に試験的に欧州のラグジュアリー・ブランドに見せたら、2016-17年秋冬向けの製品に即決で商品化が決まるほど、こちらが思っていた以上にリアクションが良かった。上質なウールのような柔らかさと独特のスポンジーな弾力感を併せ持った風合いが高く評価された」という。ポリエステルならではの特徴を生かし、プリーツ加工や、ウインタースポーツウエア向けの高機能な透湿防水加工などを組み合わせ、ラグジュアリーブランドからスポーツブランドまで幅広く展開する。
また、小松精練は島精機の無縫製ニット機「ホールガーメント」も導入し、この「カール・カール ケーエス」を使ったニット製品も開発する。「糸を使い、最終製品まで作れることが魅力。これまで培ってきた製品染めを組み合わせた、特殊な圧縮ニットを開発したい」(中山取締役)。