デサントは、中国の大手スポーツメーカー、アンタ(ANTA=安踏体育用品有限公司)および伊藤忠商事と合弁会社を設立し、2017年から「デサント(DESCENTE)」ブランドの中国での拡販に乗り出す。同社は中国で「マンシングウェア(MUNSINGWEAR)」「アリーナ(ARENA)」「ルコックスポルティフ(LE COQ SPORTIF)」を中心に約52億円(15年3月期)を売り上げているが、社名ブランド「デサント」はスキーウエアなどごく一部しか展開していない。アンタとの合弁によって「デサント」の輸入販売、ライセンス生産、小売り事業を加速する。
新会社の出資比率は、アンタの子会社アンデスが60%、デサントが韓国に設立したデサントグローバルリテール(DGR)が30%、伊藤忠商事の中国子会社である伊藤忠繊維貿易(中国)有限公司が10%。社名や代表者は決まっていない。過半数を出資するアンタは本社を福建省晋江市に置く大手スポーツメーカーで、中国全土に店舗網を持っており、売上高は約1500億円に達する。
デサントはグローバルで展開できる「デサント」ブランドの強化を中長期戦略の柱に掲げている。そのために売上高で日本を上回るデサントコリアの小売り事業のノウハウを活用すべく、デサント60%、デサントコリア40%の出資比率でDGRを昨年設立した。社長には韓国事業の立役者であるキム・フンド=デサントコリア社長が就任。昨年11月には「デサント」ブランド初の旗艦店をロンドンに開いている。