英国ブランド「マルベリー」はオンワードラグジュアリーグループと、シューズとウエアの生産流通を手掛ける契約を締結し、2016‐17年秋冬シーズンからスタートする。なお、同社からコメントは得られていない。
また、「マルベリー」は15年7月にクリエイティブ・ディレクターに就任したジョニー・コカのデビューコレクションを2月21日、発表した。同ブランドは現在、ライフスタイルブランドへの刷新を図っている。イギリス最大級のラグジュアリー・レザーグッズブランドだが、今後はレザーグッズを強化し続けるとともに、今までシェアが少なかったシューズとウエアをフルラインで打ち出す。現在、英国市場が売上高の50%以上を占めている。次いで北米、韓国が主要マーケットだ。出店も順調に続けており、過去3年で北米、ヨーロッパ、アジアに新店舗を出した。コカは新カテゴリーと新しいブランドイメージを反映する店舗づくりに注力する。
ティエリー・アンドレッタ=マルベリー最高経営責任者(CEO)は戦略において、より厳密な価格設定に取り組むという。バッグやレザーグッズの7割を500〜1000ポンド(約8万500〜16万1000円)、ウエアを250〜1500ポンド(約4万200〜24万1500円)にし、シューズも他ラグジュアリー・ブランドより約2割低い価格で打ち出す。アンドレッタCEOは「新しい価格帯で打ち出すが、ラグジュアリー・マーケットにも需要があるブランドでありたい」とコメントした。引き続きレザーグッズの多くを英国で生産し続けるという。また、16年プレ・フォール・コレクションを16-17年秋冬コレクションと同時に発表し、商品のデリバリーサイクルの短縮を図り、同コレクションを4月から店頭に並べる。「有力なデザイナーを起用し、大掛かりなショーを発表するのに大金を投じるにも関わらず、数週間後にはファストファッションブランドがコピー商品を販売している。なるべく早く消費者にはコレクションを見て、買ってもらいたい」。
「マルベリー」は10年に発売したアレクサ・チャンとコラボした"アレクサ"バッグが大ヒットし、売り上げを伸ばしたが、ラグジュアリー・ブランドの価格帯を取り入れてから多くの上顧客をなくした。また、13年6月のエマ・ヒル前クリエイティブ・ディレクターの退任も売り上げに響いた。しかし15年から徐々に黒字に戻り始めた。日本では三喜商事が04〜08年、輸入販売契約を結び、伊勢丹新宿や銀座三越を含む全国8店舖出店した。一度日本撤退をし、その後クラブ21が11年7月からハンドバッグ、スモールレザーグッズ、ジュエリーの独占販売権を取得し、シューズのディストリビューションを手掛けている。