イタリアの投資会社、イタルモビリアーレ(ITALMOBILIARE)が「ロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)」や「ブチェラッティ(BUCCELLATI)」を傘下に持つイタリアの投資会社、クレシドラ(CLESSIDRA)を買収した。買収額はおおよそ2000万ユーロ(約24億4000万円)だった。1月に死去したクローディオ・スポジート(Claudio Sposito)=クレシドラ創業者兼前会長兼最高経営責任者(CEO)の妻、マニュエラ・スポジート(Manuela Sposito)が株式資産の100%を売却しようと交渉していたようだ。
また、クレシドラを自ら買収しようとしていたことが噂されていたフランチェスコ・トラーパニ(Francesco Trapani)=クレシドラ会長が在籍し続けるのかは疑視されている。トラーパニ会長はロベルト カヴァリ グループ買収の陣頭指揮を執った。同グループは現在さまざまな改革を行っており、昨年創設者のロベルト・カヴァリ(Roberto Cavalli)の後任にピーター・デュンダス(Peter Dundas)をクリエイティブ・ディレクターとして迎え入れた。さらに、レナート・セメラーリ(Renato Semerari)CEOは戦略を数々打っており、特に卸の販路拡大を図っている。また、クレシドラはコンパニー・フィナンシエール・リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)をはじめ、他社と「ブチェラッティ」の売却交渉をしていると報道されている。
イタルモビリアーレはペセンティ(Pesenti)家が経営する、イタリア有数のファミリー企業で、幅広いジャンルの企業を傘下に持つ。上場しており、株式持分20億ユーロ(約2440億円)相当を誇る同社は近年ラグジュアリーファッション事業を強化している。ペセンティ家は世界有数のセメントメーカー、イタルセメント(ITALCEMENTO)を1864年に創業し、これまで銀行や保険会社、車メーカーに投資してきた。イタルセメントを最近ドイツのハイデルベルグセメント(HEIDELBERGCEMENT)に売却し、多額の資金を得た。
クレシドラは2003年にクローディオ・スポジートが設立し、イタリアのラグジュアリーおよびファッション業界で活躍する企業に育て上げた。現在、カジュアルブランド「ハーモント&ブレイン(HARMONT & BLAINE)」の株式35%も所有する。
LUISA ZARGANI
訳 WWDジャパン編集部