アジアに活動領域を広げている合同展「ルームスリンク」は。韓国・ソウルで行なった「ルームスリンク ソウル」(10月23〜25日)、さらに、台湾・台北で一般消費者を巻き込んだ合同展「ルームスリンク タイペイ」(11月8〜11日)をそれぞれ開催した。韓国で行なわれた「ルームスリンク ソウル」(会場=SCALATIUM)には、ファッション関係者を中心に5500人が来場した。計60ブランドが参加し、約8割がウィメンズウエア、残りの1割ずつが服飾雑貨とメンズウエアという内訳。
一方の「ルームスリンク タイペイ」(会場=HUASHAN 1914.CREATIVE PARK)には、4日間の会期で3万5000人が来場している。計80ブランドが参加し、150社のメディアが取材に訪れたという。台北では、一般消費者に開放したイベントもあり、特にランウエイショーやインテリア系の展示には多数の来場があった。
興味深いのは、ソウル、台北ともに、日本ブランドの出展数が全体の1〜2割程度で、そのほとんどが開催国や欧米のブランドで占められていたことだ。同展を運営するアッシュ・ペー・フランスでは、単なる日本ブランドの輸出、紹介にとどまらず、日本のブランドが入り込める中間的なマーケットを創出させる考え。具体的には、韓国、台湾ともにラグジュアリーブランドを中心としたハイエンドなマーケットと、ファストファッションを軸とした廉価製品のマーケットは存在するものの、日本のデザイナーズブランドが入り込む、中間的なマーケットが極端に小さい。
「想定以上の来場者があった。ソウルで年2回、台北で年1回の合同展を継続し、ラグジュアリーとファストファッションの中間マーケットを創りたい。ここに日本のブランドが入り込む余地がある」(松井智則「ルームスリンク」グローバル・プロデューサー)。韓国と台湾にマーケットを創出しながらビジネスを拡大するという、したたかな戦略が垣間見える。