ファッション

合同展「ルームス」が狙う アジア市場とマーケットの創出(下)

 では、今後のアジア戦略はどうなるのか。仮に「ルームスリンク」が韓国、台湾で成功すれば、香港やシンガポール、バンコクといった新興都市での開催も視野に入れる。

 

 松井プロデューサーは「各都市でベストパートナーを探し、我々と価値を共有すれば提携もありえる。すでに出展オファーをもらった都市もある」と語る。ただ、いくらマーケットを創出しても、日本ブランドが韓国や台湾、シンガポールで売れる保証は一つもない。松井プロデューサーも「日本のブランドにとってチャンスが広がっている。しかし、ソウル発のデザイナーは、価格設定を含めたグローバルなマーチャンダイジングに長け、世界を相手にビジネスを進める術を知っている。20代後半のデザイナーを核に、独自性のあるクリエイションも生まれつつある。日本のデザイナーズブランドが対等にわたり合うには、価格やデザインの優劣を含め、売るための土台を固める必要がある」と警鐘を鳴らす。

 

 「ルームスリンク」が、マーケットを創出した後は、デザイナーのクリエイションとやる気次第ということだろう。また、台北では、同エリアでビジネスが確立した後に、近隣の上海や香港にビジネスが拡大する様相を見せている。台湾では若手デザイナーの育成が遅れているものの、ファッション感度の高い消費者が数多く存在する。同展がアプローチを始めた両国において、どうビジネスが広がるのか。2013年の動きに注目したい。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。