ファッション

第3話:波瀾万丈の始まり 【丸⼭敬太の “⼭あり⾕あり”な30年】

有料会員限定記事

「ケイタマルヤマ(KEITA MARUYAMA)」は1994年に誕生し、今年で30周年。丸山敬太デザイナーは動植物で飾ったテキスタイルや、和洋中の要素を融合したデザインで、“晴れの日に着る洋服”を作ってきた。しかし多幸感溢れる表現の陰では、幾度の困難も克服してきた。酸いも甘いも知りながら、それでもなお「楽しいことを生み出したい」とする彼の人生譚とは。

出会った当初はクリエイターの“卵”だった友人も、すでに売れっ子になっていた。そんな彼らが僕のデビューショーのために集まり、演出やスタイリング、ヘアメイクを手掛け、果てにはドリカムのメンバーまでモデルとして出演してくれるという。うれしかった。衣装制作の仕事で、ある程度の貯金があった僕は、一念発起してショーに全てを懸けることにした。

1994年4月20日、原宿のキーウエストクラブ。インディゴブルーのランウエイに次々と「ケイタマルヤマ」のルックが現れる。赤いチェックのパッチワークガウン、エンジェルをあしらったキルティングスカート、翼のような襟のチャイナ風ジャケット──僕らしさを詰め込んだショーは大成功で、終わった後は達成感のあまりみんなで泣いた。ここからジェットコースターのような毎日が始まるとも知らずに。

この続きを読むには…
残り716⽂字, 画像3枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。