「グローバルワーク（GLOBAL WORK）」「ローリーズファーム（LOWRYS FARM）」「ニコアンド（NIKO AND...）」などを擁するアダストリアは、カフェ・カンパニーの「ワイアードカフェ（WIRED CAFE）」「ワイアードキッチン（wired kitchen）」などの事業を移管し、10月をめどに共同運営会社を設立することを決めた。7月末に最終合意する予定。新会社では、両社の強みを最大限に生かした「ライフスタイル発信型のリーディングカンパニー」を目指し、既存のアパレルと飲食を融合させた業態の出店などにとどまらず、「新たな価値観やカルチャーを発信し、人々に豊かな暮らしと体験価値を提供していく」という。新会社の株式はカフェ・カンパニーがマジョリティを持ち、社長には楠本修二郎カフェ・カンパニー社長が就任、アダストリアからは新規事業本部長も務める木村治・常務が取締役に入る。
アダストリアは旧トリニティアーツ時代の2013年3月に「ニコアンド」初の大型店を横浜ベイクォーターに出店する際、「ワイアードキッチン＆ニコアンド」を併設するなど、協業実績もある。「ワイアード」ブランドは、都心やルミネなどを中心に出店・拡大してきたこともあり、ファッション系ピープルとの相性も良い。表参道に期間限定でコミュニティー型空間＆飲食ゾーン「コミューン246」を出店中。来年には浅草に「ワイアードホテル」を出店する計画もあり、ライフスタイル提案型のコンテンツ開発力や飲食事業の運営力の向上に期待する。カフェ・カンパニーとしてはアダストリアとの合弁会社とすることで、出店開発力も高まる。新しいテナント開拓を進める郊外型SCなどを筆頭に出店チャンスも広がるため、両社の事業拡大につながることになりそうだ。
アダストリアの木村治・常務は「アダストリアはアパレルだけでなくあらゆるファッションがもたらす"ワクワク"する喜びをお客さまに届けるため、変革と挑戦を続けてきた。日本の現代都市生活者に新しいコミュニティーを提案してきたカフェ・カンパニーと共同で新会社を設立することで、業種や業態の垣根を越えて新たな価値を作っていけることになり大変うれしい。クリエイティビティー、そして実行力を持って、価値観やカルチャーを世界に発信していきたい」とコメント。
カフェ・カンパニーの楠本修二郎・社長は「世界が大きな時代の節目を迎え、急速な早さで人のライフスタイルも変化をしている今、私たちは、より多様な価値観に対して、より幅広い視点を結集して、一歩先の楽しさを提供していくことが求められていると思う。弊社は創業以来、一軒一軒手づくり感覚でカフェ創りを行い、その地域コミュニティを育むライフスタイル提案を展開してきた」と説明。昨年には「TSUTAYA」「T-SITE」「蔦屋書店」などを手掛ける生活提案企業カルチュア・コンビニエンス・クラブ（CCC）と事業提携し、"ブック＆レストラン（BOOK&RESTAURANT）"をはじめとする新しい領域を展開してきた。さらに「食とファッションの新しい未来を企画したいという思いから、今回の事業提携に至った。NIPPONの衣・食・住を、より豊かに育み、ワクワクな未来を創造していけるよう、より一層発信していきたい」と意気込む。
