米オムニコムグループ傘下のブルーカレント・ジャパン(本田哲也・社長)と、ファッションPRのワグ(伊藤美恵・社長)の業務提携契約を記念したトークショーが、3月15日に開かれ、両社の社長が"PRがつくるブランドの未来"をテーマに語り合った。
トークショーでは、本田社長は近年のブランドのあり方について「今まではブランドの世界観がしっかりあって、その中にユーザーを招いていた。しかし、ソーシャルメディアの時代は、ブランド側がユーザーに寄り添うべきだ」と語った。ブランドに貢献する戦略PRとは"空気づくり"であると例え、「ブランドとして世の中と生活者の関心に合わせた発信をしていくことが重要である」とまとめた。ワグとの提携については、「ファッションPRの強みや考え方を、どれだけ異業種に展開していくか、またその逆を転用していくかでまだまだ可能性が見える。具体的な戦術の表現を得意とするワグと組み、もっとメディアの種類を広げてトライすることでパワーアップしていきたい」と話す。伊藤社長も「ファッション業界のPRでブランドからの要望がぐんと広がってきている。ブルーカレントの大きい戦略からプロダクトに落とし込む考え方は、ファッション業界にも通用すると思った」と期待する。
今回の業務提携は、それぞれの強みを生かした次世代PRサービスの提供を目的とする。マーケティング戦略の立案から企画の実施、ウェブ施策も含めたサポート体制を実現し、クライアントにサービスをワンストップで提供可能になる。
今後は、クライアントの要望の変化に合わせた提案ができるように、両社の強みを融合させ、PRサービスの実現を目指す。具体的には、両社の既存クライアントに向けた共同サービスの提供、新規ビジネスの共同獲得、両社のネットワークの融合を想定する。現在、大手衣料メーカーへの共同提案や、外資系シューズブランドへの共同サービスが開始されている。
ブルーカレント・ジャパンは2006年に設立。P&G、花王、ユニリーバ、サントリー、トヨタなどこれまで国内外大手300社以上にPRコンサルティングや実行支援の実績がある。消費者の行動変化を促す戦略PRの企画から実施まで一貫してサービスを提供する。一方ワグは1985年に設立。「ヴィヴィアン・ウエストウッド」や「コス」、「アメリカンイーグルアウトフィッターズ」をはじめとするファッションブランドなどに対し、マーケティングやPRからブランディング、広告宣伝などを行ってきた。