「アースミュージック&エコロジー」などのブランドを展開するクロスカンパニーは、中堅アパレルのキャン(東京)の創業家から全株式を買い取り、100%子会社化した。買収金額は約100億円。役員構成は変えず、キャンの代表取締役会長にクロスカンパニーの石川康晴・社長(写真)が就任した。
キャンは主力のカジュアルブランド「サマンサモスモス」はファッションビルを中心に約130店舗を出店しており、ナチュラル&フェミニンブランドの「テチチ」を含め、2013年2月期の売上高は193億6700万円、営業利益は18億4900万円の見込み。買収に関して張替勉クロスカンパニー取締役管理本部長は、「キャンは自己資本比率が70%以上で、実質無借金経営の優良企業。出店でもシナジーが見込める。今後は成長を加速させたい」と語る。
両社はファッションビル系に出店していることから、共同の商品調達や物流などで連携し、コスト削減を図るほか、「キャンはこれまでファッションビルや駅ビルへの出店がメインだったが、今後は当社のネットワークを生かし、ショッピングセンターへの進出も図る」(張替取締役)。これらの施策を通し、キャンは3年後までに売上高を300億円、営業利益30億円への拡大を計画する。