ファッション

大型展“グッチ コスモス”が京都で開幕 見どころは時代を超越する“赤い糸”の絆

グッチ(GUCCI)」は、京都市京セラ美術館で12月1日まで開催中の世界巡回展“グッチ コスモス(GUCCI COSMON)”の関係者向けプレビューを9月30日に実施した。同展は上海とロンドンを巡回し、同ブランドの日本上陸60周年を記念して京都で開催している。展示は、ブランドの代表的なデザインコードや歴代クリエイティブ・ディレクターのコレクションを紹介する6つのスペースで構成。展示の考案とデザインはイギリス人コンテンポラリーアーティストのエス・デヴリン(Es Devlin)が、キュレーションはイタリア人ファッション評論家のマリア・ルイーザ・フリーザ(Maria Luisa Frisa)が手掛けた。カンファレンスではルイーザ・フリーザも登壇し、展示についてなどを解説した。

ストーリーと対話を感じる

同氏が、日本ならではの展示として挙げるのが“レジャー レガシー -ライフスタイル賛歌”のスペースだ。乗馬やテニスなどレジャーに関連する「グッチ」のアーカイブと共に、会場である京都市京セラ美術館の収蔵品を展示する。「グッチ」のゴルフアイテムの近くには、着物姿でゴルフをする丹羽亜樹子による昭和初期の絵画「ゴルフ」を並べ、海のレジャーアイテムの先に視線を向けると、中村研一による1935年作の「瀬戸内海」が展示しているという仕掛けだ。

ルイーザ・フリーザは「エキシビションは、オブジェとコミュニケーションができる場だ。“レジャー”のスペースでは収蔵品も展示に使わせてもらい、オブジェ同士の素晴らしい対話が生まれた」と説明する。デヴリンは、ブランド創業地のフィレンツェと50年以上にわたって姉妹都市提携を結ぶ京都に、特別な感情を抱いたという。「京都市京セラ美術館の荘厳な回廊を歩いたとき、フィレンツェと京都をつなぐ糸を感じた。この美術館で見つけた、淡い色彩で描かれた月や馬、竹林は、アイコニックでありながら進化を続ける『グッチ』のコレクションと共鳴する」。

歴代デザイナーの感性を浴びる

展示は美術館の新館“東山キューブ”と、本館を使用する。新館には、デヴリンの作品に「グッチ」の創業から現在までのタイムラインを記録した“タイム メイズ-時の迷宮”や、乗馬との深いつながりを展示物とスクリーンの迫力映像で表現する“ゾエトロープ-乗馬の世界”のスペースを設けた。

本館は、1970〜2024年のルック34体をカラーやインスピレーション源に分けて並べた“エコーズ-クリエイティビティ系譜”からスタートする。続く“レジャー レガシー ”をさらに奥へ進むと、1947年に誕生したアイコンバッグ“バンブー”を、創業地フィレンツェの街のVR映像や、ドラマチックな展示で紹介する“バンブー-バンブーの世界”のスペースが広がる。最後は、ブランドのキーカラーの一つであるレッドに焦点を当てた、“レッド スレッズ-グッチの絆”で締めくくる。

“グッチ コスモス”では、展示を通して創業者グッチオ・グッチ(Guccio Gucci)のストーリーとオブジェクトのつながりを理解し、そのつながりをトム・フォード(Tom Ford)やサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)ら歴代クリエイティブ・ディレクターが忠実に継承しながら、それぞれの視点を加えて発展させてきた歴史が分かる。さらに、日本文化との結び付きの強さについても紹介しており、西陣織の老舗「ホソオ(HOSOO)」とのコラボレーションバッグや、日本に初上陸した1964年当時の貴重なアイテムも並ぶ。フィレンツェと京都、人とモノ、伝統技術と創造性、そして「グッチ」と来場ゲストの間に、深みのあるレッド“ロッソ アンコーラ”の赤い糸を結ぶ壮大な展示だ。

◾️グッチ コスモス
期間:〜12月1日
場所:京都市京セラ美術館
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町124

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