ゴールドウインは8日、人工合成クモ糸素材の開発に成功した山形県鶴岡市のベンチャー企業、Spiber(スパイバー、関山和秀・社長)に30億円を出資すると発表した。同時にスポーツアパレル分野における独占的使用を含めた事業提携を結んだ。共同で製品開発を進め、実用化を加速させる。
Spiberの関山社長は慶大生だった2004年に研究を始め、07年に同社を設立。クモの糸のたんぱく質を生み出す遺伝子を抽出し、それに微生物を組み込むことで人工合成クモ糸の新素材「クモノス」を作り出すことに成功した。強靭で伸縮性に優れる「クモノス」は、石油由来の化学繊維とは異なり、原料を枯渇資源に依存しない点でも未来の繊維と称されている。衣料品はもちろん、自動車や飛行機、医療などさまざまな用途での実用化が見込まれている。