TSIホールディングスの2014年3〜5月期の連結業績は、売上高が前年同期比101.1%の462億6100万円、営業利益が同283.9%の24億5600万円、純利益が同312.0%の15億8900万円になった。変則決算やM&Aなどの影響を除けばTSIホールディングス発足以降初めての増収に転じた。不採算ブランドのリストラや仕入れ精度を高め、販管費を圧縮したことにより増益となった。
ブランド別では、売り上げ上位10ブランド中9ブランドが増収、「ナノ・ユニバース(NANO・UNIVERSE)」「マーガレット・ハウエル(MARGARET HOWELL)」「ローズバッド(ROSE BUD)」「アプワイザー・リッシェ(APUWEISER-RICHE)」「プロポーションボディドレッシング(PROPORTION BODY DRESSING)」「M.ツボミ(M.TSUBOMI)」の6ブランドが2ケタ増収を達成した。
販路別では、「ゾゾタウン」と在庫連携を進めるなどオムニチャネル化を推進した結果、ECの売り上げが前年同期比121.9%になり、売り上げに占める割合が9.1%となった。百貨店の売り上げは旧東京スタイルのブランド整理が響いて前年同期比87.9%、百貨店以外(ファッションビル、駅ビル、路面店、アウトレットなど)では既存店と新規の出店の好調により同106.8%となっている。
三宅孝彦・取締役は4月の消費増税に関し「4月第1〜2週は客足が遠のいたものの、グループ全体ではほとんど影響はない」とコメント。TSIホールディングスは中期経営計画の中で収益力拡大のために、衣食住をテーマにしたスタイル提案を掲げている。同社で一番売り上げの大きい「ナノ・ユニバース」では、渋谷の旗艦店にレストランなどを併設することで、世界観を実感できる仕掛けをつくり、ブランド価値を高めるという。
14年3〜5月期は計画を上回って推移したが、15年2月期の通期計画では当初の計画を据え置き、売上高1815億円、営業利益25億円、経常利益38億円、純利益5億円を見込む。