TSIホールディングスは、トランジットジェネラルオフィス(東京、中村貞裕・社長)と合弁会社を設立し、ニューヨークの人気ペイストリーショップ「ドミニクアンセルベーカリー」を日本で事業展開する。TSIが中期経営計画で掲げる非衣料分野の拡大策の一環で、これを機に飲食事業に本格参入する。9月1日付で設立した合弁会社D.A.B.PASTRY(ディーエイビイ ペイストリー)はTSIが51%、トランジットが49%を出資し、社長はTSIの濱田博人・取締役経営戦略本部企画開発部長が兼任する。2015年春に東京・表参道に150坪の旗艦店を開き、これが軌道に乗れば首都圏の商業施設などに店舗を広げる。
「ドミニクアンセルベーカリー」は11年NYのソーホーに開店。オーナーシェフであるドミニク・アンセル氏の作るクロワッサン食感のドーナツ「クロナッツ」をはじめ独創的なペイストリーは、飲食業界の数々の賞を受賞し、毎朝長い行列ができる人気店になった。現在も店舗はソーホーの1店舗のみで、表参道は2号店になる。
同店の日本上陸を構想していたトランジットの中村社長は、「ジル スチュアート」「キャスキッドソン」の飲食業態で提携するTSIに協力を求め、合弁会社を設立する運びになった。合弁会社は「ドミニクアンセルベーカリー」とライセンス契約を結び、技術指導を受ける。9月17日の会見でTSIの三宅正彦・会長兼社長は「当社はグループ24社を通じて服だけでなく衣・食・住・遊をファッションの領域として捉えている。(飲食事業は)これまで個々での取り組みだったが、今後は本格的にノウハウを蓄積していく。今回の合弁会社設立はその第一歩だ」と話した。