TSIホールディングスは、ワールドの子会社が宮崎県都城市で運営する縫製工場を10月末に買収する。アパレル業界では円安による海外生産のコスト上昇で国内生産への回帰が急速に進んでいる。高品質で安定的な生産ラインを確保することで、ブランド価値を高める。
東京スタイルとサンエー・インターナショナルの統合によって2011年に誕生したTSIは、この間、ブランドや店舗の縮小などのリストラに軸足を置き、栃木県宇都宮市や岩手県盛岡市にあった自社工場も閉鎖した。15年2月期で統合後初の営業黒字を達成し、再建にメドをつけたことから、再び国内生産基盤の強化に乗り出す。TSIはすでに都城市に自社工場を持っているが、こちらは閉鎖し、取得する工場に統合する。TSIの国産比率は委託工場を含めると27%。この1年だけで5ポイント上昇している。買収した工場と既存の山形県米沢市の自社工場と合わせて、国産比率を3割以上に高める。
TSIが買収したのはワールドの子会社ワールドインダストリーファブリックの縫製工場。約110人の従業員が働き、スカートやワンピースを年間19万点生産している。ワールドインダストリーファブリックは主力の岡山工場に生産機能を集約させ、効率化を図る。