ユナイテッドアローズ(UA)の2015年4月〜12月期は、売上高が前年同期比108.7%の1047億円、営業利益が同102.4%の98億円、当期純利益が同106.1%の61億円と増収増益だった。売り上げ総利益率は低下したものの、在庫の消化が進み、プロパー消化率も向上している。
今期は「MD政策の見直し」「価格戦略の見直し」「在庫増加の抑制」の3つを重点取引テーマとしてきた。特に秋冬には「価格設定」「気温対応」「アイテム構成」「マーケティング」「売れ筋把握」の5つの施策が功を奏し、成果を上げたという。特に価格設定では、「事業やアイテムに応じた柔軟な価格設定を行ったこともあり、お客さまから支持をいただく高額品・トレンド品の投入などにより、平均単価が上昇するアイテムも多数存在した」と竹田光広・社長。たとえば、小売り既存店の客単価が同108.5%となった「UA」事業では、メンズニットは平均単価を約1割引き下げ、リーズナブルな価格の商品を投入。逆にメンズスーツは1割以上上昇させた。従来の4万円台を縮小し、タスマニアウールなど糸・生地などをメーカーと自社専用に共同開発した素材を使用するなどして商品力を強化した7万円台のスーツを拡充したところ、クオリティーを含めた商品力の高さが評価された。ウィメンズパンツについても、ワイドパンツ、ガウチョパンツなど幅広い商品を展開することで、5%ほど上昇させている。一方、102.6%となった「グリーンレーベルリラクシング」事業でも、メンズドレスシャツは昨年価格を引き上げて顧客の離反を起こしてしまったため、約1割弱価格を引き下げ、リーズナブルプライス商品を再展開することで支持が復活。ウィメンズのニット羽織りについては、"コーディガン"と呼ばれるロングカーディガンなどトレンド商品を強化したことで、約1割アップとなっている。これらにより、10〜12月の全社の既存店の客単価は同106.4%となった。
16年3月期の業績は、売上高1414億円(前期比107.9%)、営業利益116億円(同103.0%)、当期純利益71億円(112.2%)を予想する。