J.フロント リテイリング(JFR)の2024年3〜8月期連結業績(国際会計基準)は、小売売上高に相当する総額売上高が前年同期比13.0%増の6104億円、売上収益が同9.3%増の2093億円、営業利益が同2倍の393億円、純利益も同2倍の382億円だった。引き続きインバウンド(訪日客)や富裕層のよる旺盛な消費がけん引した。
大丸松坂屋百貨店による百貨店事業は、総額売上高が同14.2%増の3987億円、営業利益が同92.4%増の194億円だった。主要店舗の売上高は免税売上高のシェアが45.2%の大丸心斎橋店が同30.9%増の568億円、富裕層の基盤が強い大丸神戸店が同9.4%増の474億円だった。改装工事中のエリアが多かった松坂屋名古屋店も同6.9%増の636億円を記録した。
パルコによるSC事業は、総額売上高が同15.3%増の1628億円、営業利益が同23.1%増の71億円だった。店舗別の売上高は渋谷パルコが同38.7%増の220億円、心斎橋パルコが同50.9%増の179億円と貢献度が高かった。
JFRは9月24日付で2025年2月期連結業績予想を上方修正している。修正後の予想は総額売上高1兆2500億円、営業利益520億円、純利益365億円。富裕層と訪日客の好調はしばらく続くと見ており、百貨店事業においては外商売上高2130億円(前期は2016億円)、免税売上高1330億円(同721億円)を予想する。
8日の決算説明会で小野圭一社長は、好業績を「固定費圧縮やコストコントロールもあるけれど、やはり外部要因(円安による訪日客の急増など)が大きい」と認めた上で、「神風がいつまで続くのか見極めが必要。風速を調整できるようにしなければならず、訪日客のCRM(顧客関係管理)を磨くなどして、今後の成長を確実なものにしたい」と述べた。