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「グッチ」に新たなCEO、副CEOが来年1月に昇格

ケリング(KERING)は10月8日、傘下に持つグッチ(GUCCI)の新たな最高経営責任者(CEO)として、ステファノ・カンティーノ(Stefano Cantino)=グッチ副CEOを任命した。2025年1月1日付で就任し、やはりケリングが擁するサンローラン(SAINT LAURENT)の社長兼CEOを兼任するフランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)=ケリング副CEOの直属となる。

カンティーノ新CEOは、事業開発やマーケティング、マーチャンダイジングの豊富な経験を持ち、22年にわたるキャリアの大半をプラダ(PRADA)で過ごした。18年に、コミュニケーション担当シニア・バイス・プレジデントとしてルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)に入社した。24年5月から現職。今回の人事により、ケリングの執行委員会に加わるという。

ジャン・フランソワ・パリュ(Jean-Francois Palus)社長兼CEOは、ケリングのマネージング・ディレクターを務めていたが、23年9月にグッチのマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)前社長兼CEOが退任したことから、暫定CEOに就任。ブランドの方向性を固める意味もあり、当面は社長兼CEOを務めることが24年2月に明らかになった。同氏の大きな役割の一つとして、グッチの経営陣や組織の再構築があり、1月にはチーフ・インダストリアル兼サプライチェーン・オフィサーを、8月には最高商務責任者を、9月にはグローバル・コミュニケーション・ディレクターを任命している。なお、今回の人事に伴う同氏の今後について、現時点では明らかにされていない。

ケリングのCEOのコメント

フランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)=ケリング会長兼CEOは、「23年の夏以降、グッチを率いてくれたジャン・フランソワに心から感謝する。非常に難しい状況の中、いくつもの決断を勇気を持って行い、今後ステファノの指揮の下で同メゾンが再び花開くための土台作りをしてくれた。また、およそ30年にわたり、私と常に緊密に連携しながら業務にあたってくれたことを大変ありがたく思う」と語った。

ベレッティーニ=ケリング副CEOは、「過渡期にあるグッチのため、忠実に尽力してくれたジャン・フランソワに深く感謝する。彼がこの15カ月間で築いてくれた土台を生かし、ステファノとチームが、『グッチ』をそのブランドに相応しいポジションによみがえらせるという使命を成功させてくれるものと確信している」と述べた。

ケリングと「グッチ」の業績は?

ケリングの24年1~6月期(上半期)決算は、売上高が前年同期比11.0%減の90億1800万ユーロ(約1兆4699億円)、営業利益は同42.2%減の15億8200万ユーロ(約2578億円)、純利益は同49.1%減の9億4000万ユーロ(約1532億円)と大幅な減収減益だった。ブランド別での売上高は、売り上げの半分程度を占める「グッチ」が同20.3%減の40億8500万ユーロ(約6658億円)と減収。ケリングが成長軌道に戻るためには、主軸である同ブランドの復活が急務となっている。

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