日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)は5日、アパレル企業とデザイナーの交流を通じて新たなビジネスモデルを創出する「JAFIC プラットフォーム」のプレゼンテーションを東京・代官山で開催した。同事業は2011年末にスタートし、才能のあるデザイナーと資金力、経営力のある大手・中堅アパレル企業とのマッチングを図るプラットフォームとして機能させている。現在、登録しているデザイナーは94組で、会員のアパレル企業は96社になっている。
今回のプレゼンテーションには39ブランドが参加し、そのうち27ブランドがファッションショーを行なった。同事業の責任者である白浜匡城JAFIC常任理事は「独立系デザイナーは営業力や資金面が弱点で、一方のアパレル企業は企画のオリジナリティを求めている。両者は補完関係にあり、成熟した日本市場で優位に経営を進めてほしい」と語る。すでに多くの実績があるものの「両者の契約上、発表できない事例がほとんど」と白浜常任理事。しかし、婦人Lサイズ専業のユービーと、「イン プロセス バイ ホールオーハラ」は2年にわたってデザイン提携を継続するなど、表立った成功例もある。「イン プロセス」の大原由梨佳デザイナーは「私のブランドはゆったりとしたフォルムが特徴なので、ミセス向けのユービーと親和性があった」と語っている。同ブランドは、レイングッズ製造販売大手のオーロラとも契約し、プリントに特徴を持たせた傘を販売している。
さらに今回は、中堅アパレルとデザイン契約を結んだデザイナーも出現するなど、会場は活気に溢れていた。「エーディグリーファーレンハイト」の天津憂デザイナーは「普段はプレス、バイヤーと話すことが多いので、アパレル企業の方と会えるプラットフォーム事業は魅力がある」。参加ブランドは「アツシ ナカシマ」「ヤストシ エズミ」「メグ ミウラ」「ダブレット」「ウエムロ ムネノリ」「モルフィック」「ソマルタ」「リツコ シラハマ」「モトナリ オノ」「スティーブン タック」など。