2024年10月14日発売の「WWDJAPAN」は、2025年春夏のパリ・コレクションを特集します。「WWDJAPAN」のパリコレ取材チームは8日間にわたり、毎日15以上のブランドを取材。その中で見えてきた傾向、皆さんが知っておくべき新デザイナーのクリエイション、そして彼らの思いをまとめたインタビューなどをお届けします。
今シーズンのパリコレ最大のニュースは、「グッチ(GUCCI)」を離れてわずか2年、早くもランウエイショーの世界に復帰したアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)による「ヴァレンティノ(VALENTINO)」です。表紙からも分かる通り、一見すると「グッチ」時代と変わらないように見えますが、ミケーレは創業デザイナー、ヴァレンティノ・ガラヴァーニ(Valentino Garavani)の1960〜80年代前半のスタイルに強い刺激を得たと言います。よくよく調べてみると、確かに70年代後半から80年代の「ヴァレンティノ」には、今回ミケーレが発表した25年春夏の「ヴァレンティノ」に通じるスタイルがいくつも。アーカイブ写真と共にミケーレのクリエイションに迫りつつ、彼のインタビューをお届けします。
もう一つのニュースは、デザイナーの退任に伴い、デザインチーム体制で挑んだ「シャネル(CHANEL)」と「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」。それぞれブランドのデザインコードを強く意識し、長年のファンも安心なスタイルをいくつも見せてくれましたが、「ドリス ヴァン ノッテン」には少し戸惑ってしまった部分も。今後に期待する意味を込め、その戸惑いも含め、正直に語りました。パリでベスト・コレクションを発表した「クロエ(CHLOE)」のシェミナ・カマリ(Chemena Kamali)と、「マックイーン(McQUEEN)」のショーン・マクギアー(Sean McGirr)のインタビューもお楽しみください。
トレンドとしては、酷暑対策とも言える「軽やかさ」へのアプローチと、新しいシルエット&構造の探求、そして混沌とした時代に立ち向かう強い精神性を提案します。「軽やかさ」へのアプローチは大別すると、「エルメス(HERMES)」を筆頭とする薄く透け感のある素材使い、「ミュウミュウ(MIU MIU)」がお手本のスポーティーミックス、そして「シャネル(CHANEL)」に学びたい大胆なカット&丈感の3つ。このほか「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「ロエベ(LOEWE)」「サカイ(SACAI)」「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」「ディオール(DIOR)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」など、人気ブランドの最新コレクションも掲載しました。
連載では、「ファッション業界のミカタ」はレンタルからリユースへの事業転換が進むゲオホールディングスを分析。「ビューティ インサイト」では、花王とオルビスの新しい挑戦を考えました。「ノット スニーカーライフ」では、本明秀文アトモス創業者がLVMHによる「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」の売却に言及しています。「ファッション&ビューティ パトロール」では、ビューティ企業自慢のアスリート社員を紹介。資生堂の剣道部部長、花王のマスターズ競泳入賞者、コーセーからはパラレルアルペンスキー選手が登場しています。
(COVER CREDIT)
BRAND:VALENTINO
ART DIRECTION&DESIGN:RYO TOMIZUKA
COVER REELS DESIGN:CHIGE(GWISUB JUNG)