着物のやまとは、同社の基幹ブランド「きものやまと」のコンセプトショップを表参道に12日オープンする。前日の11日、プレス関係者や取引先向けにレセプションパーティを実施し、店内を公開した。
コンセプトショップのテーマは「伝統的なきものの美しさと現代的なライフスタイルの融合」。店内には着物や反物のほか、アクセサリーやバッグなどのセレクトアイテムも豊富にそろえる。既存の着物イメージにとらわれない文化の発信地として、ポップアップや着付け教室、イベントも積極的に実施していく予定だ。
「きものやまと」は現在、全国に70店を構える。そのほとんどが商業施設にテナントとして入居する店舗だ。やまとの矢嶋孝行社長はブランド初のコンセプトショップをオープンするに至った経緯を「地方への出店はその地域に合わせた工夫が必要だったり、一定の制限を有する商業施設での出店が中心だったりしたこともあり、やまとのブランドの色がぼやけてきていた。今、改めて我々の方向性を示す“原酒”のような場所を作りたかった。その原酒をもとに、水割りでもいいし、お湯割りでもいい。そんな形で各地にブランドのスタンスが広がることをイメージした」と説明する。
表参道という場所を選んだ理由については、「着物の街としてのイメージが強い、銀座、日本橋、浅草などの選択肢も頭に浮かんだ。ただ、着物という言葉や概念が持つ認識と印象を変えることが我々の目指しているところ。ファッションの街であり、新しいものが生まれる街である表参道に店を構えることで、我々の“着物の概念を変える”という意思を示したかった」と矢嶋社長は話す。ライバルは「時代と認識」とつづけ、今後も着物の良さを維持しながら新しいあり方を模索していく意向だ。