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特集 パリ・コレクション2025年春夏

新生「ヴァレンティノ」を徹底解説 ミケーレは「とても私。だって私が手がけているから」

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新生「ヴァレンティノ」を徹底解説 ミケーレは「とても私。だって私が手がけているから」

中国経済の低迷に伴ってラグジュアリー市場が過渡期の真っただ中にある中、業界ではデザイナーの新任や退任、つまりシャッフルが相次いでいる。今シーズンは、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)が「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のクリエイティブ・ディレクターに就任して初めてのランウエイショーを発表。新体制によるクリエイションをまとめた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年10月14日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)

変わらずミケーレな「ヴァレンティノ」は、
良かった?悪かった?

グッチ(GUCCI)」のトップを辞してから2年足らずで、アレッサンドロ・ミケーレが「ヴァレンティノ」でランウエイの世界にカムバックした。注目のコレクションは、ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)時代とは大きく異なる、正真正銘ミケーレの世界。性別も、時代も、地域も超越した装飾&折衷主義はむしろパワーアップしている印象で、洋服には隙間がないほどに色と柄、そして装飾を加え、顔や腕、足にも数々のアクセサリーを加える。こと「グッチ」時代の終盤には飽きを感じていた人は、「またか」と思っただろう。しかしミケーレのクリエイションは、彼独自のイヴニングとフォーマルに傾倒した装飾主義の中で、微妙に変化している。祖業がラゲージの「グッチ」では緑・赤・緑のウェブストライプやGGのモチーフなど、アイコニックなロゴに依拠していたクリエイションは、ロングドレスやフリルにラッフルなど、創業したヴァレンティノ・ガラヴァーニ(Valentino Garavani)のスタイルと融合。一見するとミケーレでしかないクリエイションの一部は、驚くほどガラヴァーニのスタイルに近い(下のモノクロの写真を参照)。長年クチュールに憧れているミケーレのクリエイティビティは、「ヴァレンティノ」の方が際限なく発揮できそうだ。と同時に、「グッチ」の1/6程度の規模感の「ヴァレンティノ」なら、ミケーレが追求し続けるだろう装飾主義を尊重しつつも、ビジネスを維持・拡大できるかもしれない。ミケーレは「ヴァレンティノ」に収まるべくして収まったと思えるようなコレクションだった。

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