ファッション

【パリコレ】「ランバン」:”非構築的クラシシズム”を標榜するブランドの新たな10年への一歩

 クラシックな彫像が並ぶボザール美術学校の大講堂で発表された「ランバン」は、今春に迎えたアルベール・エルバス就任10周年を経て、新たな一歩を踏み出したコレクションとなった。デビュー以来、“インダストリアル・クチュール“というコンセプトを貫いてきたアルベールが、今シーズンの作品で表現したのは、凡庸なミニマリズムとは一線を画す、非構築的なフォルムによる新たなクラシシズムの提案。肩ラインを張り出したボックスシルエットや、アシンメトリックなフォルム、着物から発想した帯ベルトや折り紙のようなフォールディング・スカート。アルベールによれば、「19世紀末にフランスの芸術家たちが影響されたジャポニズムのイメージということだが、単に日本的なモチーフ使いというレベルを超えて、新たな素材開発とパターンの探究、精緻なアトリエワークが集積したコレクション作品は、「ランバン」の新たな10年を示唆する完成度の高さを誇っている。

 コレクション中盤には、会場にある彫像を模したようなヌードプリントのドレスが登場。「女性は皆、スターのような気分でいたいもの。誰も壁の花にはなりたくないだろうからね」と語るアルベールの茶目っ気が垣間見られる。シンプルでありながら計算されたプロポーション・バランス、白黒モノトーンのコントラスト、メゾンアイコンのひとつである名香「アルページュを模したイヴニング用バッグなど、新境地に挑戦するアルベールが描く静謐なエレガンスが凝縮されたコレクションとなった。

LANVIN x ファッションの記事

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。