ファーストリテイリングは10月5日、米国サンフランシスコに、「ユニクロ」の西海岸1号店となる旗艦店を開店した。朝5時から並んだテレビ局勤務の30代の女性や、4時半から店舗前に来ていたという老女などを先頭に、朝10時の開店前には、近隣道路を封鎖して作られた待機ゾーンを含めて1000人近くが行列をなした。人口70万人のうち、アジア系が40%ということもあり、中国系を中心に、アジア系客の姿が多く見られた。
テープカットに登場した柳井正・会長兼社長は、英語で、「サンフランシスコは45年前、18歳でアメリカ大陸に初めて足を踏み入れた想い出の場所であり、感慨深い。そして、私は49ers(地元・サンフランシスコのアメフトチーム)の一員だ。1949年生まれだからね」とあいさつし、観客から喝さいを浴びた。さらに、「今日10月5日は、尊敬するスティーブ・ジョブズの命日でもある。我々もこの地からイノベーションを起こしていきたい」と締めくくった。一方、中国系アメリカ人として初めてサンフランシスコ市長に就いたエドワード・リー市長は「『ユニクロ』は手頃な価格で高品質でデザインも良い。(49ersの名クオーターバックだった)ジョー・モンタナに続き、私もモデルをしたい。何よりも『ユニクロ』は地元に500人の雇用をもたらしてくれて感謝している」とコメントした。
当日は消防関係者から厳しい入場規制を受けながらも、ウルトラタイトダウンや9.9ドルジーンズ、ソックス、フリースなどが売れ、閉店時間の21時を過ぎても買い物に熱中する客の姿があった。