10月15日(現地時間)、「ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA’S SECRET)」(以下、VS)が6年振りにファッションショーを開催した。ニューヨークの会場には豪華セレブやインフルエンサーが一挙に集い、“エンジェル”(モデル)によるランウエイやアーティストたちのパフォーマンスを楽しんだ。
キーワードは多様性
チーフデザイナー兼クリエイティブ・オフィサーのジェイニー・シャファー(Janie Schaffer)は今回のショーについて、「『VS』は、インクルーシブになって帰ってきた。本コレクションでは57のブラサイズを展開し、ショーには多様なサイズのモデルを起用した」と事前インタビューで答えている。
この言葉の通り、今回のモデルのラインアップは今までのショーとは一線を画していた。プラスサイズモデルのアシュリー・グラハム(Ashley Graham)やパロマ・エルセッサー(Paloma Elsesser)、デヴィン・ガルシア(Devyn Garcia)や、トランスジェンダーのアレックス・コンサニ(Alex Consani)らがランウエイに登場し、加えて人種や年齢もこれまでよりも多様になったことでより包括性のあるショーを実現した。
アシュリー・グラハムは今回の起用について、「この出演は、今までブランドからカスタマーとして見られていなかった私のような体型の人にとって、重要な出来事になるだろう。ブランドがやっとカーヴィーな体型の魅力に気付いたことを嬉しく思う」と語る。
アレックス・コンサニは、「私のようなトランスジェンダーがランウエイに登場し、美しいと認識されるのは本当に重要なことだ。特にこのような場は、常にシスジェンダー志向が強い。そこにさまざまなタイプの人々が受け入れられていることを非常に嬉しく思う」とコメントした。
大御所もカムバック
煌びやかなランウエイルック6選
タイラ・バンクス
2005年の出演を最後にランウエイから引退したタイラ・バンクス(Tyra Banks)が、大トリでグランドカムバックした。
ショーを締めくくった彼女のルックは、ブラックのボディスーツにシルバーのコルセットを合わせた、近未来とクラッシック・グラマーをミックスしたアンサンブル。シルバーのフロアレングスのケープを羽織り、ショー全体のきらびやかな雰囲気を一層盛り上げた。
アドリアナ・リマ
1999年からブランドの顔として活躍し、2018年に引退した元“エンジェル”アドリアナ・リマ(Adriana Lima)も電撃復帰した。
1つ目のルックは、黒のランジェリーセットに、ピンクと黒のチェッカーストライプのパンツとそろいの長袖のカットアウトトップスのコーディネート。背中には、オレンジ、赤、ピンク、パープルが美しく混ざった羽を付け、幻想的でエッジの効いたルックを着こなした。
2つ目のルックは、スイートハートネックの真っ赤なナイトウエア。シアーなレースのアンサンブルで、裾にはフリルがあしらわれている。渦巻きのディテールが施された赤いウィングで、キラキラと輝く渦巻きのカットアウト効果を演出した。
ジジ&ベラ・ハディット姉妹
ショーの常連ジジ・ハディット(Gigi Hadid)、ベラ・ハディット(Bella Hadid)姉妹が今年も出演。
オープニングを飾ったジジは、巨大なピンクのエンジェルウィングをまとい登場。同色のサテンのボディースーツにクリスタルの小物を合わせたルックで、アイコニックなカムバックを果たした。
ベラは、赤いレースの大胆なランジェリーを着用。仕上げに、フェザーのロングジャケットを合わせ、オール・レッド・ルックを完成させた。
ケイト・モス親子が初出演
1990年代を代表するモデルの1人のケイト・モス(Kate Moss)が、22歳の娘のライラ・グレース・モス(Lila Grace Moss)と共に「VS」ランウエイに初登場した。
ケイトは、シースルーの黒いレースのスリップドレスに、腹部をカットアウトした黒のボディスーツを重ねたエフォートレスで優雅なルックで登場。ショーのシグネチャーである大きな黒い天使の羽を身に付け、圧倒的な存在感を放った。
ライラは、ベビーピンクの星柄のランジェリーに同色のファーガウンを合わせ登場。親子の共演は、「フェンディ(FENDI)」2021年春夏オート・クチュール・コレクション以来となった。