PROFILE: デイビット・ミスキン/霞ヶ関キャピタル チーフ クリエイティブ ディレクター
沖縄・石垣島にラグジュアリーホテル「セブン バイ セブン(seven x seven)⽯垣」が9月9日にオープンした。福岡・糸島に続く2施設目となる。
同ホテルは、インフィニティープールやファミリープールをメーンに、サウナやバーなどを完備した、老若男女問わず楽しめる宿だ。客室は全121室21タイプで、石垣の美しい海や景色を眺められるよう、全室テラス付き。プライベートプールとサウナ付きのスイートルームや、ジャグジーを備えた客室などもあり、10月8日にはホテル最上階にあるメゾネットスイートルーム「ザ・ペントハウス」(1泊、55万7000円〜)の予約受け付けを開始した。
今回は、そんなホテルを手掛けたデイビット・ミスキン(David Miskin)=チーフ クリエイティブ ディレクターにインタビュー。ニューヨークを拠点に活動している彼が惚れ込んだ石垣島の魅力、ホテルのこだわりなどを聞いた。
石垣島の人々の温かさやハッピーな雰囲気をホテルで表現
WWD:石垣島に「セブン バイ セブン」をオープンしようと思ったきっかけは?
デイビット・ミスキン=チーフ クリエイティブ ディレクター(以下、デイビット):石垣島が大好きで、約1年で視察も含め30回以上は訪れている。自然や海の美しさ、地元の方々の温かさやハッピーな雰囲気をホテルで表現できないかなと思ったことがきっかけだった。
WWD:全く新しい石垣島の表現を意識したとか。
デイビット:地元の人が来ても、新鮮な気持ちで楽しんでもらえるような場所にしたかった。非日常な空間や感動を味わって欲しいので、ホテル全体のベースはホワイトでモダンな印象に仕上げ、石垣島へのリスペクトの気持ちを込めて、ホテル内に“琉球⽯灰岩”やシーサーなどの素材やオブジェを散りばめた。
また、私たちがここで感じてほしい感情や地元の方々と話した時の印象をどのように落とし込むかと考えたときに、色使いが重要だった。木々を取り入れてボタニカルな空間を演出しつつ、「セブン バイ セブン」のキーカラーであるイエローをアクセントに差し込み、エネルギーあふれる内装にまとめ上げた。
WWD:強い“日本愛”を感じる。
デイビット:自分のキャリアの中でいろいろなブランドと仕事をしてきたが、日本に来ることが多かった。来るたびに感動の連続で、日本の方々の丁寧なサービス、日本文化のすばらしさをさまざまな場面で感じる。また、日本のファッションやインテリアはトレンドの最先端であり、大変参考にしている。あとは「ドン・キホーテ」が好きだからね(笑)。
WWD:自ら家具を搬入したり、位置を調整する姿も見られた。
デイビット:ビジョンを伝えて終わりにするのではなく、自分もチームの一員として動き、細かなところまでこだわることを忘れてはいけない。「セブン バイ セブン」のDNAを継承し続けられるのは私であり、チームワークを高めるためにも、こういった仕事は積極的にこなしていきたい。
WWD:レストラン「バティーダ(BATIDA)」やグローサリーショップの運営はどのように関わった?
デイビット:食を軸に音楽やアート、ホテル、サウナなどの多様なコンテンツをかけ合わせた空間をつくる会社フライデーズに運営を依頼し、友人の米沢弘志代表と一緒に作り上げた。期待値を超えるすてきなレストランになった。
WWD:お気に入りの場所は?
デイビット:バー「レッド(Red.)」だ。初めて、小川潤之霞ヶ関キャピタル取締役会長から「これまでに見たことがないバーを作って欲しい」と言われた場所であり、空間デザインからインテリア、ドリンクまで100%こだわった。宿泊者だけでなく、ビジターも気軽に楽しめる。
「セブン バイ セブン」の開発事業を加速 2〜3年で7施設をオープン
WWD:KPIは?
デイビット:予約率や客数、利益も気にするべきだが、一番はカスタマーエクスペリエンス。どれだけのお客さまに感動体験を提供できているのか、満足してもらえるサービスや客室を用意できているかを重視している。また、このホテルをより良くしていくため、積極的に顧客からのフィードバックも集めるようにする。
WWD:今後の展望は?
デイビット:「セブン バイ セブン」の開発事業を加速させ、直近2〜3年で7施設をオープンする予定だ。
先日、老舗高級ホテルに宿泊したが、家具にシミが付いていたりと気になる点が多かった。些細なことかもしれないが、あまり心地良い体験ができなかったのを覚えている。この学びから常に美しさを保ち、サービスに磨きをかけて何度もリピートしてもらえるようなホテルを目指していきたい。