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ユニクロ陸上部、廃部危機から「プリンセス駅伝」初優勝へ 短期で結果出す“ユニクロイズム”実践

ユニクロが、本業の衣料品小売り以外の分野でも「やる以上は徹底的にやって短期で結果を出す」という“ユニクロイズム”を実践し、成果につなげている。ユニクロは1997年から実業団として女子陸上競技部を持っているが、10月20日に福岡の宗像・福津で開催された「プリンセス駅伝 in 宗像・福津 2024」で、出場登録31チーム中、初優勝を果たした。2区を走ったパリ五輪女子1500メートル代表の後藤夢選手は、7人抜きで区間賞も獲得した。

「プリンセス駅伝」は、女子駅伝日本一を決める「クイーンズ駅伝」の予選大会。今年の「クイーンズ駅伝」は11月24日に宮城で開催され、シード権を得ている昨年大会の上位8チームに加え、「プリンセス駅伝」の上位16チームが出場する。今年の「プリンセス駅伝」では、アパレルや小売関連企業ではユニクロ以外に、しまむらが7位、ニトリが12位に入り、「クイーンズ駅伝」出場権を獲得。一方、福士加代子選手など有力選手を多数輩出してきた名門ワコールは28位に沈み、24年連続出場してきた「クイーンズ駅伝」の出場権を逃した。

本選は「8位以内必達」

ユニクロ女子陸上競技部は、ファーストリテイリンググループ上席執行役員で、「+J」や「ユニクロ:シー(UNIQLO:C)」といったデザイナーズコラボを成功させてきた勝田幸宏ユニクロR&D統括責任者が21年に顧問に就任。自身も伊勢丹ラグビー部出身で実業団スポーツを知る勝田上席執行役員が、「鳴かず飛ばず」で「一時は廃部も検討されていた」陸上競技部に“ユニクロイズム”を注入。有力海外選手の補強なども含めて、「プリンセス駅伝」初優勝につなげた。

「クイーンズ駅伝」では、「(シード権を得る)8位以内の入賞は最低限の目標で、限りなく上を目指す」と、ユニクロ女子陸上競技部の長沼祥吾監督はコメント。「今年は特に、選手、コーチングスタッフ、フロント間のコミュニケーション向上に取り組んできた。選手の目標やタイプに応じて一部担当コーチ制を採りつつ、監督が各コーチと情報共有し、チーム全体を把握して選手の強化を進めることがかなりスムーズになった」と手応えを語る。

ユニクロは「クイーンズ駅伝」に過去6回出場し、今年が7回目。14年の7位を最高に、出場22チーム中15年は21位、19年は22位、21年は28チーム中10位、22年は24チーム中10位、23年は25チーム中11位だった。

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