ケリング(KERING)を率いるフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼最高経営責任者(CEO)の一族の持株会社アルテミス(ARTEMIS)は10月21日、傘下に持つクレージュ(COURREGES)の新たなCEOとして、マリー・ルブラン(Marie Leblanc)前ヴィクトリア ベッカム(VICTORIA BECKHAM)CEOを任命した。2020年3月に就任したアドリアン・ダ・マイア(Adrien Da Maia)CEOの後任として、11月4日付で就任する。
ルブラン新CEOは、「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」や「セリーヌ(CELINE)」でデザインおよびコレクション開発などに携わった後、フランスの百貨店プランタン(PRINTEMPS)でウィメンズウエアおよびブランドポジショニング部門の責任者を務めた。2018年にプロダクト・ディレクターとしてヴィクトリア ベッカムに加わり、19年にCEOに昇格。24年10月に退任した。
ピノー=ケリング会長兼CEOのコメント
ピノー会長兼CEOは、「マリーは、ブランドのアイデンティティーと一致するようクリエイティブに目配りしつつ、事業戦略も策定できるというユニークな才能を持っている。これはクレージュがさらに成長するために必要としているものだ。また、ブランドの立て直しを先導してくれたアドリアンに深く感謝する」と語った。なお、ダ・マイアCEOは退任後、起業プロジェクトを手掛ける予定だという。
「クレージュ」の歴史について
「クレージュ」は、1961年にアンドレ・クレージュ(Andre Courreges)とコクリーヌ・クレージュ(Coqueline Courreges)が創業した。2011年、広告代理店で要職を務めていたジャック・バンジェール(Jacques Bungert)とフレデリック・トルロタン(Frederic Torloting)が買収。14年にアルテミスが少数株主となり、18年に過半数株式を取得した。クリエイティブ面では、20年からニコラ・デ・フェリーチェ(Nicolas Di Felice)=アーティスティック・ディレクターが率いている。