ファーストリテイリング(FR)は、プロテニスプレイヤーのノバク・ジョコビッチ選手とともに、子どもの未来を拓くための10億円ファンド「クローズ・フォア・スマイル」プロジェクトを発足する。ファンドの原資は、2012年秋冬シーズンに発売する、「ユニクロ」のヒートテックとウルトラライトダウンの売り上げの中から拠出する。5億円は、世界中の人々からファンドの活用アイデアをインターネット上で募集。ジョコビッチ選手と柳井正FR会長兼社長、バングラデシュ出身のノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス元グラミン銀行総裁、建築家の安藤忠雄が審査員する。第1弾は12月31日まで、13ヵ国語で募集する(www.uniqlo.com/smiles)。残り5億円は、FRがユニセフ(国際連合児童基金)とグローバルアライアンスを結び、子どもたちの教育環境の改善に関するプログラムの支援活動に使う。
柳井会長兼社長は「ジョコビッチ選手の精神力、自分を信じる力に敬意を持っている。今回、世界中の子供たちの未来に向けて、世界中からアイデアを集め、教育、成長といった手助けをしたい。社会貢献活動は、グローバルでビジネス活動するうえで、ビジネスと同等かそれ以上に大切だ。そのためには、今回のジョコビッチ選手のような親善大使が必要だ。スポーツは国境を越えられる。特に人間としてすばらしい彼と社会貢献をできる。自分にとっても、我々にとっても非常な喜びだ」とコメント。
初来日したジョコビッチ選手は、「初めて日本に来られた。おいしい日本の料理も食べられたし、短時間の滞在の中でも日本のカルチャーに触れられてうれしい。ユニクロと私は互いに協力しながら、子どもたちに手を差し伸べ、彼らが求めるものを提供したい。潜在的能力を伸ばす支援ができるようにしたい」と語る。
ユニクロはこれまで、子ども向けの社会貢献活動として、桃栗育英会に寄付をし、震災遺児の学資援助をしてきた。今回は「自分の才能を伸ばしたり、もう少しやわらかいプロジェクトになると思う」と柳井会長兼社長。