2018年に780億円規模だった「敏感肌」市場は、24年に1000億円規模にまで成長した(アイピーコーポレーション「2024敏感肌レポート/マーケット編」調べ)。
「ディセンシア(DECENCIA)」が行った敏感肌に関する調査によると、20~60代の女性1万6000人のうち、45%にあたる約7200人が「敏感肌自認はないが、敏感肌症状を感じている」と回答した。同ブランドは、「肌がかさつきやすい」「肌がひりひり・ピリピリすることがある」「肌が赤くなったり痒くなることがある」「肌がタオルやパフの刺激で赤くなりやすい」「季節、体調の変化等で肌が不安定になりやすい」の5項目のうち1つでも当てはまれば、敏感肌にあたると定義している。
今回は、敏感肌のためのスキンケアを展開する9のブランドに、売れ筋1位を誇るスターアイテムを聞いた。
「チャントアチャーム(CHANT A CHARM)」の1位は、植物性セラミドを配合した美容成分96%の“クレンジングミルク”。寺前美鈴・ネイチャーズウェイPRマネージャーは、「特長は、クレンジングミルクとオイルの“イイとこ取り”設計であること。ミルクからオイルにテクスチャーを変化させることで、しっかりとメイクオフすることができる」。肌負担が少なくしっとり柔らかな洗い上がりで、毛穴ケアにも優れている。カワラナデシコが皮脂汚れを溶かし、クレイ成分で毛穴汚れを吸着してオフする。「リピーターが多く不動の人気を誇る」。
「イハダ(IHADA)」の1位は、肌荒れ予防として、潤いバリア保護成分の高精製ワセリンやアラントイン、グリチルリチン酸塩のWの肌荒れ防止有効成分を配合した“イハダ 薬用ローション(とてもしっとり)”。北村幸子・資生堂ジャパン ダーマ・クリニカルマーケティング部「イハダ」グループ マネージャーは、「“薬用ローション”は、しっかりと潤いを閉じ込める。季節の変わり目や紫外線、乾燥などの肌荒れ予防にもオススメだ。テクスチャーは、サラサラながら肌になじませるとしっとりとし、年齢問わず好評だ」。
「アムリターラ(AMRITARA)」の1位は、2010年に発売したブランドを代表する化粧水“ホワイトバーチ モイスト ウォーター レフィルパック”。市川裕幸「アムリターラ」営業課ディレクターは、「水の代わりに“森の看護師”とも呼ばれる白樺樹液を使用し、高い保湿力と美容液のようなとろりとしたテクスチャーだ。防腐剤だけでなく、エタノールや精油も不使用で敏感肌ユーザーに支持されている。23年9月に『LPS』を追加配合するリニューアルを行い、肌免疫アップにもアプローチする。●比較した期間を教えてください●昨年同期比33%増と伸長している」
「アベンヌ(AVENE)」の1位は、温泉水を源泉から100%直接ボトリングしたナチュラルな設計で、香料・防腐剤なども不使用、無菌室で製造した“アベンヌ ウオーター”だ。末崎順子「アベンヌ」PR担当は、「髪も含め全身に使えるのが特長だ。『素肌の土台を整える価値を伝える』コミュニケーションを強化しており、赤ちゃんから家族みんなで使うことができることも、愛用者の拡大やリピート促進につながっている。特に男性愛用者の増加が顕著で、男性購入者は前年比で10%増と伸長。男性にとっても使いやすいアイテムであることが認知されてきている」。
「イニクス(INIKS)」の1位は、“センシティブ ディープモイスト ローション”だ。谷直哉「イニクス(INIKS)」マーケティングチーフは、「皮膚科学領域に特化した製薬会社マルホの敏感肌に寄り添うブランドとして低刺激性にこだわった商品開発を行っている。23年10月に、“センシティブ シールドバリア オイルクリーム”(25g、3960円/定期会員3762円)を発売。プロモーションでは、ライン全体にフォーカスし、『化粧水で水分を補い』『乳液で肌をやわらかく』『クリームで潤いを密封する』という3ステップの保湿で乾燥・肌あれを予防することを訴求した。結果、新商品とともに、まずは化粧水を購入する顧客が多かった。23年頃からは、トラブルを抱えがちな肌のケアに、低刺激性の保湿剤の適切な使用が重要であることが認知され始め、専門機関でスキンケア指導を受けてから、『イニクス』を購入する顧客が増えてきている」。
「エトヴォス(ETVOS)」の1位は、ブランド初の美白ケアライン“ホワイトニングクリアライン”(24年2月発売)の美容液“薬用 ホワイトニングクリアセラムW”。江利山結美「エトヴォス」PRは、「一般的に、刺激の強いイメージのある美白ケアを諦めがちな敏感肌ユーザーに安心して使っていただけることをポリシーとして開発した。今回新たに、できてしまったシミ・くすみに同時アプローチする成分『ニコチン酸アミド』を配合。加えて、オリーブ葉エキスと有効成分であるグリチルレチン酸ステアリルも配合し、シミ・くすみができる前のダメージ全体にアプローチする。これまで以上に、”網羅的“に美白ケアができるアイテムとして好調だ」。
「オサジ(OSAJI)」の1位は、皮膚常在菌の鍵を握る美肌菌に着目し、角質層のバリア機能にアプローチして肌をすこやかに整える美容液“エンリッチバイオセラム”。穗積衿佳「オサジ」PRアシスタントは「敏感肌を考えた処方設計、みずみずしく潤う使用感や、肌の良い変化を感じられると多くの顧客から人気を得ている」。
「ディセンシア(DECENCIA)」の1位は、“つつむ フェイスクリーム R1”。御殿谷りえ「ディセンシア」PRマネージャーは、「『ディセンシア』は、家族を敏感症状の悩みから解放したいという思いで、一人の研究員が開発した独自技術から始まった。独自技術を初めて搭載したのが、つつむシリーズのフェイスクリームだ。ブランドのスキンケアメソッドでは、クリームが重要な役割を果たす。濃厚で滑らかなテクスチャーで肌をつつみ、肌表面に潤いバリアのヴェールを形成。肌の最表層を覆う0.02mmの角層を整えることで、乾燥や紫外線などの刺激を防ぎ、潤いを保持する構造をサポート。しっとりとやわらかく、健やかな肌へと導く。肌への刺激を考えて、アルコールや合成香料不使用、敏感肌の人に一定期間、継続して商品を試していただく『敏感肌連用テスト』を行うなど、独自の基準で製品開発に努めている。こうした開発姿勢と、技術のもとつくられている商品だからこそ、高い継続率を誇り、17年間、多くの顧客にご愛用いただいていると考えている」。
「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」の1位は、“UVイデア XL プロテクショントーンアップ ローズ”。山﨑友紀「ラ ロッシュ ポゼ」コミュニケーション マネージャーは、「高い紫外線防御力や使いやすいテクスチャーに加えて、まるで発光したようなナチュラルかつ美しい仕上がりがかなうと支持されている。『ラ ロッシュ ポゼ』は、敏感肌の人々に寄り添い、自信を持って生活できることを支えたいという思いを込めた『毎日使いたくなる』ような設計にこだわっている」。