ファッション

2代目バチェロレッテ尾﨑美紀がブランドのディレクターに

ファッションブランド「エステラ・ケー(Estella.K)」を展開するジャミン(東京・渋谷、坪内良夫社長)はこのほど、新ブランド「メリン(Meline M.)」をスタートする。ディレクターを務めるのは、起業家で2代目「バチェロレッテ」の尾﨑美紀ディネット代表だ。価格帯はトップス 1.2〜1.6万円、ワンピースが2万円〜2.5万円、アウター3万円台で、20〜30代の女性がメーンターゲットになる。

一方、尾﨑代表が率いるディネットは、まつ毛美容液のヒットで知られる「フィービービューティーアップ(以下、フィービー)」を展開している。「ハードシングスもありましたが、今は超いい感じ」という。尾﨑代表にブランドやディネットの今後を直撃した。

ディレクターに起業家を起用、異色のインフルエンサーブランドの背景

WWD:「メリン」のディレクターになった経緯は?

尾﨑美紀ディネット代表(以下、尾﨑):もともとジャミンの展開するブランド「エステラ・ケー」をプライベートでもよく着ていて、「バチェロレッテ」の放映を見たジャミンの坪内良夫社長から連絡をもらった。私自身もファッションが好きで、いつかはブランドをやってみたいという思いもあった。ただ、自社で手掛けるのがさすがにハードルが高いとずっと思っていた。そうした中での坪内社長からの「プロデュースをしてみないか?」というオファーだった。「エステラ・ケー」を自分自身が着ていて服もしっかり作っているという印象だった上、坪内社長からの「起業家がディレクターという新機軸だからこそ面白い」という申し出にも、心が動いた。

WWD:ディレクターの主な役割は?

尾﨑:在庫の持ち方や売り方はジャミンが担い、私の役割はコンセプトの設定から情報発信、そして服のデザインの指示まで、いわゆるインフルエンサーブランドのディレクター的な位置づけです。服に関しては全くの素人なので、当初は苦労しましたが、ジャミンさんの持ってくるサンプルをベースにディテールや着心地など、細かい部分までいろいろ口を出させてもらってます。

仕事のペースは10日〜2週間に一度くらい打ち合わせ、年4回の撮影ですね。ブランドの公式インスタアカウントはジャミンさん側ですが、随時私もアカウントでも情報発信します。こちらはジャミンさんの意向で特に契約で取り決めなどはしておらず、私のペースで行います。

WWD:ターゲットは?

尾﨑:この部分は「フィービー」と同じで、コアターゲットは20〜30代の感度の高い女性です。内面から出てくる美しさにフォーカスし、ブランド名の「メリン」にもそうした思いを込めました。

WWD:今後は?

尾﨑:夏の長期化を受けて、ジャミンさんとは「本格的な展開は来春夏物から」と話しています。百貨店でのポップアップもしてみたいし、有楽町マルイの「フィービー」店舗でのコラボもやりたい。もちろんその際は私も店頭に立ちたい。ただ、現在はモデルが私も務めていますが、いずれは私の存在は薄くしていき、ブランド自体が自立していけたらと思っています。

WWD:利益配分は?

尾﨑:レベニューシェアです。売れた分だけ、会社(ディネット)に入るようになっています。

ハードシングスも、「今は超いい感じ」

WWD:本業のディネットの経営は最近はどうしょう?

尾﨑:これまでのようにトップライン(売り上げ)だけを追うのではなく、LTV(顧客生涯価値)を重視する、より顧客一人あたりの満足度を上げる戦略に転換する中で、ハードシングスにも直面しました。振り返ってみれば、私の能力不足がすべての原因なのですが、起業8期目にして初めての経験で、まるで嵐のようでした。これまでがむしゃらに突っ走ってきて、売り上げも人員も右肩上がりでずっと増えてきた。もちろんスタートアップなので、走りながら人も組織も整える、という形になるのもわかっていたつもりでしたが、直面してみると本当に大変で。ただ、今はもう「いい経験だった」と言えるくらいにまでは持ち直しましたし、嵐を乗り越えた今となっては、創業直後くらいの結束力・団結力があって、自分も会社も組織もびっくりするくらい強くなりました。今は超いい感じです。全員が「やるぞー!」って感じで燃えています。

WWD:一番大変だった時期は?

尾﨑:5月ごろです。そんな中で「メリン」のプロジェクトもスタートして、かなり病んでいました(笑)。基本的に大変なときも社員の前では顔似出さないようにしているのですが、ある社員に「美紀さん、わたしたちが支えます」と言われたときには、二人で手を取り合って号泣してしまいました。

WWD:ベンチャーキャピタル(VC)からの出資も多い。投資家のサポートは?

尾﨑:ものすごく支えてもらいました。主要株主の大和企業投資とセレスの担当者には、精神的に大変な時期には食事に誘ってもらったり、戦略の転換に伴うリソースを補うべく、その道のプロを紹介してもらったり。とにかくお世話になりっぱなしでした。株主と社員にには感謝しかありません。

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