2014-15年秋冬パリ・コレクションは、今季もトレンドをリードする力強い内容のショーが数多く発表された。注目したいのは、デザイナーの多くが素材にフォーカスしている点だ。服の"形"での差別化が難しい時代において、トップ・ブランドはそのプライドをかけて、最新技術を駆使した素材を開発し、新しいフォルムやムードを生みだすことに成功している。フランスやイタリアの生地工場とタッグを組んで素材開発を続けている「ランバン(LANVIN)」や、日本を始め各国の最先端技術を取り入れた素材をさりげなく、ふんだんに取り入れている「ディオール(DIOR)」が好例だ。
その中で浮上してきたトレンドはニット。服に対して軽さや柔らかさが引き続き求められる中、その象徴としてニットにフォーカスしているデザイナーが増えている。秋冬にニットは当たり前のようだが、今季のニットは当たり前ではない。ニットトレンドの2トップである「セリーヌ(CELINE)」や「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は、"ニットに見えないニット"や"ニットに見えてニットじゃない生地"と、一捻りも二捻りもある技でぬくもりとハイテクの両方を手に入れている。一見トレンドとは無縁に見える「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」もまた、ニットにフォーカス。まるで身体の内面からわき出したようなニット使いで "人間の心の中のモンスター"を表現した。
ムードではトラペースラインのミニドレスで作る60年代のスウィンギング・ロンドンが注目だ。数シーズンミニ丈でフレッシュなスタイルを打ち出してきた「サンローラン(SAINT LAURENT)」を筆頭に、パステルカラーが眩しい「ミュウミュウ(MIU MIU)」などが続く。
ビジネス面で見ると、最大のニュースは、「ルイ・ヴィトン」のウィメンズのアーティスティック・ディレクターにニコラ・ジェスキエールが就任したこと。マーク・ジェイコブスから引き継ぎ、フレッシュな新生「ルイ・ヴィトン」像を打ち出し、喝采を受けた。
1位 コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)
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2位 ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)
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3位 サンローラン(SAINT LAURENT)
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5位 アンダーカバー(UNDERCOVER)
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7位 ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME DES GARCONS)
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8位 ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)
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9位 ミュウミュウ(MIU MIU)
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10位 ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)
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*本データは、「WWD JAPAN.com」のCOLLECTIONページにて掲載したブランドを対象にしています。
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