東京コレクションをベースにクリエイション活動を行なう「アンリアレイジ」が、ブランド設立10周年を迎える。2003年にデビューして以来、コンセプチュアルなテーマ性と手間を惜しまないクチュール的な姿勢でコレクション制作に取り組んできた。その「アンリアレイジ」の凝縮された思想や歩みを振り返る展覧会「A REAL UN REAL AGE」が、渋谷のパルコミュージアムで開催されている(12月25日まで)。
デザイナーの森永邦彦は、手探りでブランドをスタートし、ビジネスのことが全くわからなかったことを明かしている。「ファッションショーや展示会のやり方がわからず、当初は苦労しました。この10年を振り返ると、デビューの頃が1番大変だったのかもしれません」と語る。数々のショーを行なってきた森永だが、意外にもデビュー時の“不安感”が1番印象に残っているようだ。
また、「最初は本を制作したくて、出版社にアプローチをしていました。出版が決まった後に展覧会の話を頂き、パルコミュージアムで開催することに」。ブランド初の出版物に初の展覧会と初づくしとなった。慎重に言葉を選び、独特の言い回しで10年を振り返る。「うまく表現できませんが、この10年で打ち出したテーマが(エンドレスで)グルグル回っている感じです」。