PROFILE: ガレス・ポープ/アジア太平洋担当シニアバイスプレジデント
カナダ・バンクーバー発のアスレチックウエアブランド「ルルレモン(LULULEMON)」が、アジア市場での存在感を増している。韓国では10月10日の「世界メンタルヘルスデー」に合わせウェルビーイングをテーマにした2日間の大規模イベント“トゥギャザー・ウィー・グロウ"を開催。韓国人俳優のパク・ソジュンや日本からは森星といったセレブリティーのほか、地元のアンバサダー、メディア関係者らを招き、ブランドが提唱する、共に体を動かすことでつながる“スエット・コミュニティー"の魅力を広めた。
「ルルレモン」のコミュニティーの核となるのは、身体的にも精神的にもより良いライフスタイルを送ることを目指すウェルネスの価値観だ。北米と比較するとアジア圏でのウェルネスの概念の浸透度はまだ低い。同社はその壁をどう乗り越え、アジアでのビジネスを加速させていくのか。“トゥギャザー・ウィー・グロウ"イベントでガレス・ポープ(Gareth Pope)=アジア太平洋担当シニアバイスプレジデントに戦略を聞いた。
WWD:アジア太平洋地域でのビジネス状況は?
ガレス・ポープ=アジア太平洋担当シニアバイスプレジデント(以下、ポープ):中国本土を除くアジア太平洋地域をAPACとしている。APACでは非常に好調で第2四半期の売上高は前年同期比約34%増だった。健全な成長軌道に乗っていると思う。肝心なのは、成長スピードだけを求めないこと。私たちの強みは、コミュニティー形成を基盤としたビジネスだ。まず盤石なコミュニティー作りに時間をかけることで、その後のビジネスの成長が期待できる。
WWD:「ルルレモン」ならではのコミュニティーの作り方とは?
ポープ:具体的には、店舗の近隣のスタジオやジム、ランニングクラブなどを回って、地道に関係性を築くことから始まる。そこで出会ったトレーナーたちに「ルルレモン」のアンバサダーとして、店舗で教室を開いてもらうなどしてブランドとの接点を作っていく。一方的な関係性ではなく、彼らのビジネスを成長させる手伝いもしながらウィンウィンなパートナーシップを意識している。コミュニティーはお金を投資すれば突然出来上がるものではないし、何かバズを生み出すような施策で一時的にファンを増やしても意味がない。辛抱強く着実につながりを作ることが重要だ。
ウェルビーイングとは、外見ではなく質
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