サステナビリティ
連載 エディターズレター:SUSTAINABILITY 第33回

ギリギリを攻めたYKK シンプルデザインの極み「単一素材」で試されるクリエイティブ

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ギリギリを攻めたYKK シンプルデザインの極み「単一素材」で試されるクリエイティブ

服がその役割を終えるとき、これまでは焼却や埋め立てという末路を迎えてきました。古着として海外に輸出されて日本人の視界から消えたとしても、どこかで役割を終えたら廃棄されるのは同じこと。その廃棄をできるだけなくして、ペットボトルや古紙などと同じく、ゴミではなく資源として活用していこう、というのが世界の大きな潮流です。古着の選別やリサイクルの技術が進化し、近い将来は古繊維が貴重な資源として取り合いになるとも言われています。

古着の資源化でネックとなるのが服に使われている素材の複雑さです。混紡糸や製品加工、副資材の存在が分解を阻みます。ワークウエアはデニムのリベットが象徴するようになるべく頑丈に作られていますし、複雑な生地は独特の質感を生み長く愛される存在にもなりえます。それは大いなる価値です。しかし、リサイクルを前提に服を見ると、それらのこだわりが足かせとなるのです。

もし服が資材も含めて全部ポリエステルであるなら、分解の手間が不要になり、ケミカルリサイクルが容易になります。ポリエステルの単一素材だなんて、つまらない?そうかもしれないし、そうでないかもしれない。少なくとも「単一素材」というハードルを自らに課して素敵な服を作ろうというトライはあってもいいと私は思います。制約は新しいアイデアの源ですから。

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