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「アバクロ」前CEOらが性的人身売買で逮捕・起訴 無罪を主張し15億円で保釈

アバクロンビー&フィッチ(ABERCROMBIE & FITCH)を最高経営責任者(CEO)として22年間率い、2014年に退任したマイク・ジェフリーズ(Mike Jefferies、80歳)ら3人が性的人身売買および州を跨いだ売春の疑いで逮捕・起訴された件について、ジェフリーズらは無罪を主張している。ジェフリーズは1000万ドル(約15億3000万円)の保釈金を、同じ容疑で逮捕されたとされるジェームズ・ジェイコブソン(James Jacobson、71歳)は50万ドル(約7650万円)の保釈金を支払い釈放された。

ジェイコブソンは、BBCの調査によって明らかになった、金銭で性行為を提供させるための男性をスカウトする仲介役とされている。また、ジェフリーズの恋人で同じく性的人身売買および州を跨いだ売春の容疑を受けているマシュー・スミス(Matthew Smith)は、英国と米国のパスポートを保有するため、逃亡の恐れがあるとして拘留されている。

妻と息子と共に裁判所に出廷したジェフリーズは、米「WWD」の取材に対してコメントを拒否。アバクロンビー&フィッチの広報担当者は、今回の事件についてコメントしていない。ジェフリーズの弁護人は、「起訴状が公開され次第、法廷にて適切に対応する予定」とコメントし、性的人身売買の被害者の代理人は、「今回の逮捕は、私たちのクライアントである多くの性的人身売買の被害者に正義がもたらされる最初の一歩だ」とコメントした。

ニューヨーク東部地区連邦検事局およびFBI、ニューヨーク市警は、合同で記者会見を開いた。捜査当局によると、今回の性的人身売買と売春のネットワークは少なくとも08年末から15年初めまで続き、多くの男性がニューヨークや世界中に派遣されたという。

記者会見で公開された起訴状には、15人の男性被害者が匿名で記されており、告発者の中には19歳も含まれ、かつてアバクロンビー&フィッチで働いていたり、ブランドのモデルを務めたりした経歴を持つ人物もいたという。被害者らは、ジェフリーズらに従うことでアバクロンビー&フィッチのモデルの仕事やほかのキャリア上の利益が得られると信じさせられていたとみられている。

捜査当局は、「世界で最も有名な衣料小売店の一つのCEOだったジェフリーズが、自己の富と影響力を利用して、自身と恋人スミスの性的な欲望を満たすために男性を人身売買していた」と主張する。ジェイコブソンは男性を「試験」し、ジェフリーズとスミスが所有するニューヨークやハンプトンズの邸宅、さらにイタリア、フランス、モロッコ、セント・バーツのホテルなどに連れて行くため、適任かどうかを確認していたとされている。

保釈されたジェフリーズは、ニューヨーク市、ロングアイランド、フロリダの自宅に居住を限定されている。

人身売買の罪で有罪となった場合、被告は最高で終身刑、最低15年の懲役刑が科される可能性がある。また、州を跨いだ売春の罪については、最高で20年の懲役刑が科される。

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