セレクトショップの「リステア(RESTIR)」は、気鋭の韓国ブランドを集めたポップアップイベントを渋谷パルコで11月12日まで開催中だ。柴田麻衣子クリエイティブ・ディレクターが注目する5つの韓国ブランドに加え、自社ブランドの「アイレネ(IRENE)」「ルシェルブルー(LE CIEL BLEU)」も並ぶ。
「リステア」が渋谷パルコでのポップアップを開催するのは今回初。柴田クリエイティブ・ディレクターは、「私たちはラグジュアリーセレクトとして知られてきたが、あらためて自分たちが面白いと思うアップカミングなブランドにフォーカスしたいと思った。常に進化し続けるエネルギー溢れるブランドを集めた」と開催意図を語る。
例えばリー・ヒュンミ(Lee Hyemee)が2015年に始めた「インク(EENK)」は、日常になじむモード服の提案が強み。韓国セレブやファッション、アート業界関係者から支持を集める。リーデザイナーは、ウィメンズウエアからメンズ、子ども服、アクセサリーまで多様な分野でキャリアを積んだ。「インク」で目指すのは、「価値のあるビンテージになる服を作ること」だ。
ポップアップに合わせ来日したリーデザイナーは、「私にとってアジアの女性に支持されることはとても大事。特に日本は、トレンドに流されやすい韓国に比べ、個性を大事にするファッション観があり、日本で認められることに意味がある。『リステア』とともに挑戦できることが心強い」とコメントした。
柴田クリエイティブ・ディレクターは、「日本には若年層向けの韓国ブランドは入ってきているが、ハイエンドな韓国ブランドの面白さはまだまだ知られていない。そういう韓国ファッションを求めている層を開拓したい」と話す。
2021年秋冬シーズンにデビューした「ボンボム(BONBOM)」は、柴田クリエイティブ・ディレクターがデビュー前から注目していたというデザイナーだ。1993年生まれのボンボムデザイナーは、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションでメンズウェアを専攻したのち、「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」でインターンを経験する。ジェンダーレスな感性でストリートカジュアルウェアの時代における、ドレスアップスタイルを追求する。最近ではBLACKPINK などK-P0Pの衣装にも抜擢され、存在感を高めている。
来日したボンボムデザイナーは「『リステア』は僕が初めて東京に来た時に訪れたお店。今こうして一緒に仕事ができていることがすごく誇らしい。今回のポップアップでは、まだブランドを知らない日本の若者たちにブランドを知ってほしい」と話した。
「アジアブランドとの連携を強める」
同イベントではそのほか、ロク・ファン(Rok Hwang)が手掛ける「ロク(ROKH)」、クォン・スンジンによるカジュアルウエアの「ヴェルソ(VERSO)」、ヘアアクセサリーの「ヘイップ(HEYEP)」を取り扱う。
柴田ディレクターは2025年春夏から韓国ブランドの買い付けを強化。「今後、日本を含むアジアブランドとの連携を強め、『リステア』にしかできない施策に力を入れたい」と話す。
■RESTIR WOMENS DESIGNERS -work in progress- TOKYO x SEOUL
日程:10月30日〜11月12日
場所:渋谷パルコ 2階
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1