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新進気鋭の韓国ブランドが続々と日本上陸 グレイス代表に聞く日韓ビジネス拡大戦略

1991年に韓国で設立したグローバルヘルス&ビューティ企業、グレイス(GRACE)は、韓国内外のブランドを250以上取り扱う。2023年にジャパン社を立ち上げ、日本市場では現在25ブランドを2000店舗以上で展開するなど、事業拡大を図る。日本展開するブランドは、韓国の伝統茶に着想したバス&ボディーケアブランド「ティーコレクティブ(TEA COLLECTIVE)」や、トレンドの産毛スタイリングができるヘアマスカラを展開する「ナルカ(NARKA)」など、独自性の高いものが多い。来日したチョ・アブラハムソン代表に、日韓でのビジネスを拡大する戦略を聞いた。

WWD:日本法人を設立した狙いは?

チョ・アブラハムソン代表(以下、アブラハムソン代表):創業時は海外のブランドを韓国に輸入するのが主流で、輸入業が9割を占めていた。その中で、韓国と日本のビジネスを組み合わせたらもっと相乗効果があるのではないかと考えたのがきっかけだ。日本の強みは先進的な製造力とノウハウ、韓国の強みはグローバルマーケティング力だ。Kビューティの人気の高まりにも後押しを受け、将来的には日本市場が大きくなり、日本と韓国、台湾を基盤にグローバル展開していく狙いだ。現在すでに約29カ国に輸出を行っている。例えばドバイでは、韓国の化粧品も日本の化粧品も人気だ。日韓の人材が力を合わせてグローバルな組織を作りたい。

WWD:独自性の高いブランドが多い中、日本展開するブランドはどのように選定した?

アブラハムソン代表:ローカライズが可能なユニークなブランドを選んだ。「ティーコレクティブ」では韓国の伝統茶だけでなく、日本のお茶も取り入れたボディーケアアイテムを発売したいと考えている。また、日本にすでにあるカテゴリーだけでなく、ラグジュアリーオーラルケアなど新しいカテゴリーも取り入れた。来春日本上陸予定のスウェーデン発「セラハティン(SELAHATIN)」は、非日常感のあるラグジュアリーなマウスウォッシュや歯磨き粉をそろえる。日本オリジナル商品も開発したい。共通するのは、東アジアで最も重要な日本市場で挑戦したいという思いがあるブランドだ。

WWD:メイクアップカテゴリーでの戦略は?

アブラハムソン代表:トレンディーで刺激的なブランドを強化していく。「オッドタイプ(ODDTYPE)」は韓国のファッションEC「ムシンサ(MUSINSA)」がプロデュースしている。トレンドの服に合わせた新商品を提案できるのが魅力だ。

WWD:特に好調なブランドは?

アブラハムソン代表:韓国と日本で同時に発売したヘアケアブランド「ナルカ」だ。韓国人と日本人のモデルを起用し、インフルエンサーマーケティングが成功した。韓国の化粧品専門店オリーブヤング(OLIVE YOUNG)でも好評で、感度が高い人に支持されている。現在2500〜3500円の価格帯だが、11月から価格を下げて販路拡大し、既存のECのほかドラッグストアでの展開も見据えている。韓国で有名になってから日本上陸する流れではない、日韓で一緒に成長していくブランドだ。クリーンインナービューティブランド「オニスト(OWNIST)」も好調だ。コラーゲンやビタミンをメインに、内側からの美しさをサポートする。アプリケーターが特徴的で、ゼリータイプやジュースで割るものなど新しい飲み方を提案している。

WWD:日本でのKビューティの盛り上がりをどのように見ている?

アブラハムソン代表:肌で熱気を感じている。十数年前、BBクリームがきっかけとなり韓国コスメブームがあった。当時は高い年齢層から支持を得ていたが、若年層へ移行している。ブームを持続させるためにはローカライズの注力と、現地クリエイターとの協力が不可欠。また、韓国ブランドの強みはOEMだ。それぞれのOEM工場の強みを生かし、マーケティングと連動して生産していることで機敏にトレンドに対応できる。

WWD:今後のミッションは?

アブラハムソン代表:日本ではドラッグ・バラエティーショップや卸売り企業などパートナーとの信頼関係を築いていく。いかに日本に受け入れられていくか、ブランドの独自性は保ちながらローカライズしていくことが課題。日本はとても厳しい市場だが、一定の成果を出しAPACに広げるきっかけになったら。ビューティ業界は美容機器やインナービューティなどカテゴリーが拡張しており、韓国はスピーディーに動いている。体感が良いものが求められ、見た目より中身の美しさが重視され始めている中、内面の美しさにこだわるブランドも増やしていきたい。

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