ファッション
連載 エディターズレター:VIEWS ON WWD U.S. 第42回

“編み物王子”に学ぶセカンドキャリアの築き方

有料会員限定記事

元水泳選手のトーマス・デイリー(Thomas Daley)の華麗なる転身というか、セカンドキャリア、ストーリーに富んでいますね。

水泳のオリンピック選手から、ニット作家へ。マッチョな水着の男性がプールサイドで編み物をする姿に注目が集まりましたが、編み物をすることで競争の世界から離れて、無心になれるのでしょう。いい表情をして手を動かしていますよね。触れるものとしてのウールの魅力についても説得力があり、まさにアンバサダーに適任です。

セカンドキャリアの築き方として学ぶことが多そうなんて思っていたら、なんと渋谷パルコに降臨します。

作品画像をまとめて見たのは初めてですが、デザインにストーリー性があり、色使いも独特で、いい意味で整いすぎておらず、何よりも“手で作る”というプリミティブな喜びに溢れています。

気になって彼のニットブランド「メード ウィズ ラブ バイ トム・デイリー(MADE WITH LOVE BY TOM DALEY)」のインスタアカウントを覗いてみたら、自分の作品だけでなく、世界各地のニット、羊毛、テキスタイルで気になるものなどを投稿しています。色とユーモアと手仕事愛に溢れていて、彼の世界観とそこに共感するコミュニティーが出来上がっている感じが伝わってきます。つい先日私が富士吉田で買ってきたテキスタイル作家の作品も載っていました。どうやら趣味が合いそうです。

さらにウェブサイトに飛んでみたら、オリジナルアパレルの販売もしているし、ポッドキャストにはヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)がゲスト出演しているし、メンバーシップ制度もあるという充実ぶり。起業家、そしてエンターテイナーの側面もありますね。“元オリンピック選手のニット作家”という枠を超えて活躍しそうで注目です。

渋谷パルコでの展覧会は本日から。本人来日の内覧会の模様は本日記事が上がる予定です。こちらもどうぞお楽しみに!

VIEWS ON WWD US:「WWDJAPAN」のライセンス元である米「WWD」は1910年から続くファッション業界専門紙です。世界中のデザイナーや企業のトップと強く繋がっており、彼らの動向や考え、市場の動きをいち早く、詳しく業界で働く人々に届けています。そんな米「WWD」の翻訳記事から、注目すべきニュースの紹介や記事の面白さを解説します。

エディターズレターとは?
「WWDJAPAN」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。定期購読者(ライトプラン・スタンダードプラン)のみが受け取ることができます。
ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在8種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

“カワイイ”エボリューション! 2026年春夏ウィメンズリアルトレンド特集

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。