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資生堂が24年12月通期予想を下方修正 純利益は220億円から60億円へ

資生堂は、2024年12月期の連結業績予想を下方修正した。修正後は、売上高が9900億円(修正前は1兆円)、コア営業利益が350億円(同550億円)、純利益が60億円(同220億円)。不振が続く中国事業とトラベルリテール事業の想定以上の減収が響き、従来予想を引き下げた。

24年1〜9月期連結決算(国際会計基準)は、売上高が前年同期比横ばいの7227億円、コア営業利益が同25.6%減の274億円、営業利益が同91.5%減の21億円、純利益が96.3%減の7億円だった。日本事業での大幅な増益や、全社を挙げた構造改革効果とコスト削減で一部相殺したが、トラベルリテール・中国・米州事業の低迷が響いた。

日本事業では、高価格帯の「シセイドウ(SHISEIDO)」「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」と、中価格帯の「エリクシール(ELIXIR)」が力強く成長。「シセイドウ」のファンデーション美容液“エッセンス スキングロウ ファンデーション”や、「エリクシール」の倍速美容液“ザ セラム aa”が大ヒットを記録し、成長をけん引した。

中国事業は「上半期よりも厳しい」(廣藤綾子・執行役 チーフファイナンシャルオフィサー チーフ DE&I オフィサー)状況で、減収増益だった。景況感の悪化に伴う貯蓄の増加や節約嗜好など消費低下を背景に停滞が続いた。トラベルリテール事業では、中国海南島・韓国で、中国人旅行者を中心とした消費の大幅な減少の影響を受け、低い出荷レベルとなった。

藤原憲太郎・代表執行役社長COOは、日本事業の収益力強化を掲げる一方で、「楽観視できない中国市場は戦略の見直しが必要だ」と述べ、地域ごとの収益性を最大化するための適正なポートフォリオへの転換を進める方針を示した。不透明で変化の激しい市場環境にも柔軟に対応できる経営基盤の構築を進めるべく、11月末に新たな構造改革の具体策を発表する。

「この2年は構造改革を加速するフェーズに入り、正念場を迎えるだろう。厳しい覚悟であるが、私のモットーは次の世代に課題を残さないことだ。初志貫徹し、有言実行を果たす」と決意を表明した。

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