オンワードコーポレートデザインは、山形県米沢市の九里学園高等学校の不要になった学生服を、来校者用スリッパにアップサイクルした。
九里学園では、これまでの卒業生の学生服を、サイズが合わなくなったり破れや汚れで着られなくなったりして新たな学生服を必要とする生徒のために“制服バンク”で保管してきた。2023 年春に実施した学生服リニューアルにともない、現在保管している旧学生服が不要になるため、活用方法について新制服を製作した同社に相談。同じ山形県内の河北が日本有数のスリッパ産地なことから地元工場でのスリッパへのアップサイクルにいたった。
山形県河北町には、かつては20社以上のスリッパ工場があったが、海外工場への切り替えや担い手の高齢化で減少し、今では 4~5軒になっている。今回のアップサイクルを製作した後藤は、熟練した職人による丁寧なモノづくりと、時代に合わせた商品開発で付加価値を高めてきた。その技術を生かして学生服からスリッパへのアップサイクルという難易度の高い取り組みを実現したという。
九里学園高等学校の髙木ユキエ教員は「学生服をスリッパにできることに驚いた。これまで大切に着用してきた学生服がこのように生まれ変わるのはとてもいいと思う。長く学校で活用していきたい」とコメント。後藤の後藤重美社長は「一針一針、懇切丁寧に気持ちを込めて縫製しているので、履いていただく方に温もりが伝われば嬉しい」と話している。
オンワードコーポレートデザインは、法人向けのユニフォームやセールスプロモーション、空間づくりを手がけており、学生服をアップサイクルするのは初めてだという。