オンワードホールディングスは、「ジル・サンダー(JIL SANDER)」ブランドの新クリエイティブ・ディレクター起用に向けて交渉中であることを7日開催の決算会見で明らかにした。12年にラフ・シモンズの後任として、創業デザイナーであるジル・サンダーが復帰し、ブランドの原点回帰や商品のイメージアップによるブランドの強化を図り、一定の成果があったというが、ファーストラインの売上高不足や、「ジル・サンダー ネイビー」の小売拡大の遅れにより、2012年12〜13年11月までの売上高は135億円にとどまり、12億円余りの大幅営業赤字になっていた。ジル本人は昨年10月に辞任しており、2月に披露された最新コレクションはデザインチームが手掛けていた。新クリエイティブ・ディレクターによるコレクションの発表は15年秋冬を予定する。
また、同じく15年秋からは、「ジル・サンダー ネイビー」のメンズを、日本とアジア、欧州、北米で同時発売する。オンワード樫山の馬場昭典・社長は「ジル・サンダー」で培ってきたクリエイティビティや産地との取り組みによる素材開発などを含めて、「オンワード自体の資産として生かしていく一歩を踏み出し、『ジョゼフ』『Jプレス』に次ぐブランドにしたい」と語った。