ビジネス

ワコールHD4〜9月期、不動産売却で黒字確保 米国・中国の販売は苦戦

ワコールホールディングス(HD)の2024年4〜9月期連結業績(国際会計基準)は、売上高に相当する売上収益が前年同期比5.2%減の901億円、営業損益が115億円の黒字(前年同期は33億円の赤字)、純損益が87億円の黒字(同44億円の赤字)だった。営業損益の黒字化は浅草橋ビルと旧福岡事業所跡地の売却益の計上による。

国内ワコール事業の売上収益は同4.8%減の450億円、営業利益は約6倍の85億円だった。旧福岡事業所跡地の固定資産売却益(76億円)の計上で大幅な増益になった。実店舗は来店客数減少により苦戦したが、EC事業が成長。商品別では、 “シンクロブラトップ”や“重力ケアブラ ノンワイヤー”、“ハグするブラ”などが堅調に推移した。

海外ワコール事業は、売上収益が同1.4%減の345億円、営業損益が27億円の黒字(前年同期は50億円の赤字)だった。米国ワコールは、実店舗は得意先の仕入れ抑制や広告配信の規制で自社ECが苦戦したが、他社ECは好調だった。欧州はドイツやフランスの販売が伸長した。中国は、店舗、EC共に苦戦している。

ピーチ・ジョン事業は、売上収益が同6.1%減の51億円、営業損益は仕入れ単価の高騰などにより4400万円の赤字(前年同期は3700万円の赤字)だった。他社ECは、新規出店により堅調に推移したものの、自社ECや直営店はタレントを起用した販促や30周年のキャンペーン施策にも関わらず、期待以下の結果になった。

ワコールHDの矢島昌明社長は、「海外におけるEC事業を拡大する。中国事業を見直して、不採算店舗は閉店し、米国では大手他社ECに注力する。欧州は、ブラビッシモの買収により、ECと直営店のクロスセル効果が期待できる」と述べた。国内ワコールは、サプライチェーン改革の一環としてリブランディングや品番の絞り込みを行っている。19年秋冬に47ブランドあったブランドを今年11ブランドにし、品番も約2割絞り込んだ。中核会社ワコールの川西啓介社長は、「ブランドごとではなく、ニーズに合わせたリブランディングを行った。コミュニケーションに関しても、商品別の単発的なものではなく、一貫性のある蓄積型のものに切り替える」とコメントしている。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。