ファッション

LVMHがベルリン発アイウエア「マイキータ」の少数株式を取得 今後も独立した経営を維持

LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)は、傘下のアイウエアメーカーであるティリオス(THELIOS)を通じて、ドイツ・ベルリン発のアイウエアブランド「マイキータ(MYKITA)」の少数株式を取得した。取引金額や条件は非公開。両社の共同声明によると、「マイキータ」は今後も戦略やクリエイティブなプロセスにおいて完全に独立した経営を維持する。「このマイノリティー出資により、『マイキータ』はデザインと製造を手掛ける真のグローバルブランドとしての地位を強化し、その型にはまらない精神と卓越したデザインへの献身でイノベーションを推し進めるとともに、アイウエアの未来を描き続ける」という。

「マイキータ」は2003年、当時24歳だったモーリッツ・クルーガー(Moritz Krueger)をはじめとする4人の創業者が設立。最初の拠点がもともと託児施設だったことから、英語の「my」とドイツ語で「保育園」を意味する「kita」を合わせた言葉がブランド名になった。14年からはベルリンの中心地にある全部門を集約した巨大なマイキータハウスを構え、そこで全てのアイウエアを職人の手で製造している。またアイウエアの素材や生産における革新でも知られ、11年には独自素材“マイロン(Mylon)“と3Dプリンティングによるアイウエアを提案。22年には米特殊素材メーカーのイーストマン(EASTMAN)が開発した “アセテートリニュー(Acetate Renew)”への完全移行を業界で初めて発表し、23年からはシグネチャーのステンレス・スチール・フレームにおいても90%以上リサイクルスチールを使用するなど、サステナブルなアイウエアづくりを推進している。

一方、ティリオスは「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「セリーヌ(CELINE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「ロエベ(LOEWE)」といったLVMH傘下ブランドのサングラスや眼鏡フレームのデザイン・製造・流通を手掛けるほか、アイウエアブランドの「バートン ペレイラ(BARTON PERREIRA)」と「ヴュアルネ(VUERNET)」も擁する。18年にイタリア・ベネチアから車で約1時間のロンガローネに開いた最新鋭の工場は1万8000平方メートルを超える生産設備を有し、LVMHはアイウエア業界におけるプレゼンスを強めている。

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